『アンデスの空 パタゴニアの風』 荒井 緑 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『アンデスの空 パタゴニアの風』 荒井 緑

1988年に人生の巻き返しを図ってアルゼンチンに移住、日系の船会社代理店に就職、すぐイタリア系三世と結婚。その後日本商社の現地邦人に移り、穀物部門のアシスタントを経て農薬等化学品、射出成形機等産業機械担当となり、アルゼンチン等企業への営業や見本市での売り込みなどで活躍するようになったが、夫と死別する。日本商社店の閉鎖後その債権回収委託業務に従事し、2005年1~2月にパートナーのホセとフエゴ島のウスアイヤ、パタゴニアを周遊するタンデム(二人乗り)バイク旅行を皮切りに、6~7月にはアルゼンチン北西部からチリのアタカマまで行くが帰途に転倒事故を起こし負傷するも現地の官民の手助けでブエノスアイレスに戻ることが出来た。しかし、その翌年初からボリビアへ、ペルーへと、8年間に通算20万kmを走った。

本書は2005年のこの旅の往路・復路の旅日記だが、著者の商社での仕事のやり方、日本の家族のこと、すでに波乱があった大学時代の思い出、アルゼンチン人の夫との馴れそめと死後のその実家との係争などの苦労が淡々と交叉して語られている。

〔桜井 敏浩〕

(中央公論事業出版 2014年6月 258頁 1,200円+税)