『黄金郷を彷徨う -アンデス考古学の半世紀』 “DEAMBULANTES en EL DORADO Medio siglo de aruqueología andina por los japoneses”  西野 嘉章・鶴見 英成編 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『黄金郷を彷徨う -アンデス考古学の半世紀』 “DEAMBULANTES en EL DORADO Medio siglo de aruqueología andina por los japoneses”  西野 嘉章・鶴見 英成編

 1958年に東京大学は文化人類学者泉 靖一助教授が率いる第一次アンデス地帯学術調査団を送り込んで以来、半世紀にわたり継続して調査し多大な成果を挙げている。特にアンデス文明史において紀元前3000年頃から5期に分類されるようになった「形成期」については、アンデス東麓、西麓、海岸地帯それぞれの遺跡発掘の調査結果から時代毎の変遷、相互の影響、交流をも比較検討することによって、3000年にわたる文明の様態の解明に大きな役割を果たした。先土器時代のコトシュの遺跡、南米大陸最古の黄金装身具が見つかった北東部山地クントゥル・ワシ遺跡はじめとする形成期の土器や金製宝飾品などは、スペイン人侵略前のアンデス地域に旧大陸の「四大文明」に匹敵する高度の優れた文明が存在したことの証左である。
 本書はこの東大のアンデス調査半世紀を記念して開催された東大総合博物館はじめ内外の博物館が保有する一級の出土品を集めた特別展のカタログで、初期のアンデス調査に関わった人たちの物語り、美しいカラー写真の展示品とその解説、各期アンデス古代文化の概説と日本人の考古学調査の紹介がすべて日本語とスペイン語対訳で記載されている。
                               〔桜井 敏浩〕

(東京大学総合研究博物館発行・東京大学出版会発売 2015年1月 151頁 4,200円+税 ISBN98-4-13-023068-1 )

〔『ラテンアメリカ時報』2015年春号(No.1410)より〕