『ラテンアメリカの中小企業』 清水 達也、二宮 康史、星野妙子 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『ラテンアメリカの中小企業』 清水 達也、二宮 康史、星野妙子

 グローバル化にともなう産業構造転換にともない、成長の担い手として従前の大企業主導型に代わるものとして中小企業の重要性が認識されるようになり期待が集まっている。中小企業には企業規模の不均一性、生産性格差、インフォーマル経済の存在などの課題がある。本書ではまずラテンアメリカでの中小企業の位置付け、4つの産業クラスターの事例を挙げ、その発展はネットワークを築いてグローバルバリューチェーンに参加し、生産性や付加価値を高めることの必要性を論じ、ラテンアメリカ特有の企業文化の影響を検討、各国の中小企業政策の意義、経緯、課題を指摘、最後にラテンアメリカで成長している中小企業像を製造業やサービス業の7例によって紹介し、それらの成長に重要であった要素を挙げている。
ラテンアメリカの大企業や大規模同族企業について解説・分析した出版物は少なからずあるが、中小企業についての考察はほとんど無かった。今後日本から中小企業のラテンアメリカへの進出が増加すると見込まれているところ、そのパートナーとなる中小企業についてコンパクトながらよく整理された情報を提供する有用な論考集。                                〔桜井 敏浩〕

(アジア経済研究所(アジ研選書) 2015年11月 166頁 2,100円+税 ISBN-978-4-258-29041-3 )
 
〔『ラテンアメリカ時報』2015/16年冬号(No.1413)より〕