『森は考える -人間的なものを超えた人類学』 エドゥアルド・コーン | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『森は考える -人間的なものを超えた人類学』 エドゥアルド・コーン

エクアドル東部のアマゾン河上流域に住むキチュア語話者であるルナ族の中で調査(主に1996~2000年の間)を基にした民族誌。

熱帯雨林の植物、昆虫、小動物、鳥の形態や生育の環境との関係や特性を記号過程の論理で説明するという、これまでの研究とは異なる革新的な民族誌といわれる。人間だけが思考するという見方ではなく、主体をひっくり返して森も考えると想像したら、そこから何が見えてくるかを、人間とそれ以外の存在とがともに織りなす記号過程からルナとその周囲の自然を観察している。

紹介者にとっては論理は難解だったが、狩猟を中心とする生活と生物界の描写が交差して、森の中で生きる民の生き様と思考についてのイメージが湧いてくる。

〔桜井 敏浩〕

(奥野克巳・近藤宏監訳 近藤祉秋・二文字屋脩訳 亜紀書房 2016年1月 492頁 2,700円+税 ISBN-978-4-7505-1462-8 )