『国王の道 カミノレアル -メキシコ植民地散歩「魂の征服」街道を行く』 阿部 修二 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『国王の道 カミノレアル -メキシコ植民地散歩「魂の征服」街道を行く』 阿部 修二

 「国王の道」とは、18世紀末のスペインによるカリフォルニア植民地計画の一環として、そこに住む先住民の定住化とキリスト教化を促進するために設けられた布教村を繋いで移動するために造られた道を指す。副王の命と資金援助を受けたフランシスコ修道会の神学校の修道士たちは、ヌエバ・エスパーニャ副王府のあったメキシコ市かとサカテカスを結ぶ銀の交易路を通り、メキシコ北部からカリフォルニア半島を北上して現在は米国領となった西海岸のサンフランシスコまで赴き、その間に21カ所のミッションと呼ばれた布教村を建設して先住民の改宗を促した。
 本書は、開拓された布教村に支援物資を届け、その地で生産・獲得された物資を運び、軍隊の移動と情報伝達を担った「国王の道」を行き来したひとびと。ミッションに赴く修道士達を束ねたスペイン人フニペロ・セッラ神父とその同僚修道士たちの足跡を辿りつつ、かれらが情熱を傾けて成し遂げようとした「魂の征服」の実態を解明しようとしている。
『「銀街道」紀行−メキシコ植民地散歩』(未知谷 2010年)等、メキシコ史-特に教会美術に着目した著作の多い著者ならではの考察に満ちた歴史散歩。
                                  〔桜井 敏浩〕

(未知谷 2015年12月 242頁 3,000円+税 ISBN-978-4-89642-486-7)

〔『ラテンアメリカ時報』2016年春号(No.1414)より〕