講演会のご報告「JETRO・JICA合同講演会」(2016年10月13日(木)開催) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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講演会のご報告「JETRO・JICA合同講演会」(2016年10月13日(木)開催)

【演題】「ラテンアメリカに目を-日本企業を支える」
-ラテンアメリカにおけるJETROとJICAの活動-
【講師】
① 日本貿易振興機構(JETRO)眞銅竜日郎理事
「Talk to JETRO First! 貿易・投資を双方向で促進するジェトロ」
② 国際協力機構(JICA)入柿秀俊理事
「ラテンアメリカにおける日本企業とJICA事業の展望」
【日時】2016年10月13日(木)
【場所】一般社団法人 日本倶楽部

 日本企業のラテンアメリカでの活動に対し、直接・間接的な支援を展開する日本貿易振興機構(JETRO)および国際協力機構(JICA)の幹部をお招きし、両機構のラテンアメリカを中心とした活動状況につきお話をいただいた。約50名の参加がありました。講演の概要は以下の通り。

1.JETROの眞銅理事からは、ビジネスの急速なグローバル化に対応して、JETROの支援内容の拡充と活動領域の拡大の状況が説明された。特に、最近の活動の特徴として、①外国企業に対する対日投資誘致・支援、②日本の農水産・食品の輸出促進、③中小企業の海外展開支援、④傘下にあるアジア経済研究所の調査分析・政策提言力の強化などに力点を置き、時代の要請に応じたサービスの質的向上に努めている。

2.本地域に関しては、「ラテンアメリカのルネッサンス」を合言葉に、官民連携を柱に活動の強化を図っている。ラテンアメリカにおいても、上記の方針に沿って、日本製品の輸出から「貿易の双方向」に視点を広げ、外国企業の日本での活動拠点(仮事務所)の無償提供や専門アドバイザーの配置など、日本市場での展開をサポートする体制を整えている。

3.日本企業への支援策としては、国内外にコーディネーター(専門家)を配置し、企業への相談体勢を整えている。国外では、メキシコのメキシコ市とバヒオ地区に数名、ブラジルではサンパウロに1名の専門家を配置している。また、ビジネス環境視察を目的とした実務ミッションの派遣も積極的に行い、今年度も数回、キューバやアルゼンチンなどに派遣した。特に、キューバは市場の目新しさもあって参加者が30数社、総計50名を数えるなど、好評を博した。

4.JICAの入柿理事からは、2015年度のJICA事業全体(2兆6000億円)に占めるラテンアメリカ関連の事業規模は394億円と大きくないが、技術者派遣数では全3000人中約800人を占め、同地域向け支援の際立った特徴となっている。もう一つの特徴として、JICAが移住事業団として送り出した移民7万人を含む200万人超の日系社会への継続支援があるが、最近は日本企業のビジネス展開の強力なサポートになるとの観点から、新たな連携関係の構築を目指している。

5.ラテンアメリカの開発案件としては、主要都市への急速な人口集中に伴う都市機能の整備(交通渋滞の解消・上下水道整備・防災等)が重要テーマになっている。この分野では、近年、各国政府への政策支援やインフラ案件への円借款など、実績が増えている。また、米州開発銀行との協調融資スキーム(CORE)も立ち上げ、幅広い支援が可能となってきた。

6.人材育成面では、メキシコから研修生の受け入れに加え、アルゼンチンとも技術者養成の協議が始まっている。日本の中小企業の海外展開支援では、進出候補国の市場調査や事業化調査に加え、ビジネス・マッチングやスタートアップ支援などを行っている。

 講演後の質疑応答では、米国の対キューバ制裁がもたらす日本企業への影響や、ラテンアメリカに駐在職員を送り出す時のアドバイスなどについて質問が出された。


眞銅JETRO理事

入柿JICA理事

会場の様子