『海賊船ハンター -カリブ海に沈む「伝説」を探せ』  | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『海賊船ハンター -カリブ海に沈む「伝説」を探せ』 

米国の作家・ジャーナリストで、ニュージャージー州沖で第二次世界大戦中沈没したドイツの潜水艦を週末ダイバーが発見したドキュメンタリーを出版している。本書は、そのダイバーと相棒が伝説の海賊船で現在のドミニカ共和国の東北部サマナ湾に沈んでいるゴールデン・フリース(金の羊毛)号の探索をトレジャーハンターから持ちかけられたところから始まる。同号の船長ジョセフ・バニスターはロンドンとジャマイカを往復する商船の船長として船主や商人たちから信頼を得ていたが、突如船を奪取し海賊に変身し、略奪を繰り返して英国海軍の船艦と互角の戦いをし勝利を収めたが、後に1686年に英国軍艦2隻の攻撃により沈没したという。

彼らは高性能の時期探知機等の機材を使って海底を探索するとともに、史料等からバニスター船長の足跡を追い、戦力で勝り追い求めた英国海軍に立ち向かったかに思いをはせることで、ついに最後の場所を突き止め、マスケット銃やワインの瓶、刀剣、コイン等と船体の下部構造を発見した。

著者は沈没現場にも赴き、発見者はじめ多くの関係者にインタビューをしているが、本書がトレジャーハンティングの顛末もさることながら、当時の海賊の行為、生き様やバニスター船長の英国海軍との戦績の有様を再現しているところが興味をそそる。

〔桜井 敏浩〕

ロバート・カーソン    森 夏樹訳 青土社 2016年8月 396頁 3,200円+税 ISBN978-4-7917-6944-5 )