『パナマ -歴史と地図で旅が10倍おもしろくなる』 松井 恵子 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『パナマ -歴史と地図で旅が10倍おもしろくなる』 松井 恵子

 コロンブスの西インド諸島“発見”からバルボアによる地峡を越えての太平洋への到達、イングランドのフランシス・ドレイク、ヘンリー・モーガンはじめ金銀を運ぶスペイン船を襲いパナマの町を略奪した海賊たちの物語に加え、マゼランの世界一周、北米大陸北西部海岸をめぐるスペイン、ロシア、英国の争奪戦まで、広範に大航海時代からの新大陸をめぐる歴史を紹介し、カリフォルニアでのゴールドラッシュを契機にしたパナマ地峡横断鉄道建設と運河建設をめぐるレセップスの挫折、米西戦争後の米国によるパナマの宗主国コロンビアからの分離運動の煽動、パナマの“独立”による米国・パナマ間の条約締結後再開された運河建設の経緯を詳細に辿っている。そして、第二次世界大戦、1999年の運河のパナマへの返還後、新パナマ運河(拡張計画)工事現場への著者の往訪記、ニカラグア運河計画や北極海航路開発等の新しい航路開発競争にも言及している。
 著者はブエノスアイレスとロサンジェルスに駐在した経験をもつ商社員の妻。世界史の面白さを知って欲しいと、多くの参考文献を駆使して纏めている。
                               〔桜井 敏浩〕

 (三冬社 2016年7月 214頁 1,500円+税 ISBN-978-4-86563-017-6 )

 〔『ラテンアメリカ時報』2016/17年冬号(No.1417)より〕