高瀬 寧 外務省中南米局長講演会のご報告「2017年、日本の対中南米外交を展望する」(2017年1月30日(月)開催) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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高瀬 寧 外務省中南米局長講演会のご報告「2017年、日本の対中南米外交を展望する」(2017年1月30日(月)開催)

【外務省からのお詫びと訂正】
 1月30日に行いました当省髙瀨中南米局長の講演のうち,各国の対中南米直接投資額について,日本が世界第5位である,また,質疑応答の際に中国はそれよりも多い旨,紹介させていただきましたが,現時点では,根拠が不十分であるため,資料の該当箇所を削除させていただきました。深くお詫び申し上げます。

【演題】2017年、日本の対中南米外交
【日時】:2017年1月30日(月)15:00~16:30
【場所】:フォーリン・プレスセンター会見室
【講師】:高瀬 寧 外務省中南米局長

 新年最初の講演会は、ラテンアメリカ協会と大来財団日本評議委員会メルコスール・フォーラム(JMF)との共催で、約90名の参加を得て開催された。
 高瀬局長は、中南米諸国の政治・経済情勢について、①2016年中の主要な変化、②2017年の見通しを概観すると共に、昨年の安倍首相の中南米歴訪を含む日本の外交実績と今後の展望を説明された。その中で、米トランプ政権の政策の影響が中南米にどう及ぶかについて、不確実性が高まっており、2017年はその動向を慎重に注視する必要があると話された。

①では、中南米経済は2015〜16年にかけ30年ぶりのマイナス成長になったにも関わらず、中間層が伸長したこと、一方で所得格差の拡大と反汚職運動の活発化を背景に、主要国で左派・ポピュリズム政権から中道・右派政権への移行が相次いだことなど、中南米の大きな流れを話された。次いで、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、キューバ、エクアドル、チリなどの主要国の政治・経済面の動向を解説された。

②の2017年の展望では、中南米経済の回復基調が見込まれる中、2017~18年とプラス成長に転じる可能性があるが、トランプ政権の誕生による不透明性の拡大、特に中南米に対する影響が大きいと考えられる移民政策と貿易政策の行方を注視する必要があるとした。
講演のメインテーマである、日本の外交については、2016年の安倍首相によるキューバ、ペルー、アルゼンチンの公式訪問、コロンビアのサントス大統領との2度にわたる会談、ブラジルのテメル大統領の訪日など、活発な中南米外交を展開した1年だったとまとめられた。
最後に、日本にとって、中南米地域の3つの特性、すなわち潜在的経済力の大きさ、基本的価値観の共有、日本独自の外交資産(日系人の存在と多くの進出企業)は変わらないので、安倍首相が提唱する「共に発展」、「共に主導」、「共に啓発」という対中南米外交の指針の下で、今後とも中南米各国との活発な外交、交流に努めて行きたいと結ばれた。
講演の後、メルコスール協定、中国の中南米進出状況、日本からの教育支援の必要性などについて質疑応答があった。

【配布資料】
なお、本講演の説明資料はラテンアメリカ協会のホームページに掲載される(会員限定)

「日本の対中南米外交」(PDF)
外務省 中南米局長 髙瀨 寧 氏 作成


高瀬 中南米局長

会場の様子