『中米の子どもたちに算数・数学の学力向上を -教科書開発を通じた国際協力30年の軌跡』 西方 憲広 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『中米の子どもたちに算数・数学の学力向上を -教科書開発を通じた国際協力30年の軌跡』 西方 憲広

 小学校の教員であった著者は、青年海外協力隊員として1987年にホンジュラスに赴き、活動したことをきっかけに、算数・数学教育を通じて教育レベルを上げ就業機会を増加させることにより、貧困や犯罪から抜け出す国造りに役立ちたいと、再度長期専門家としてホンジュラスに赴き、算数科指導力向上プロジェクトで実績をあげ、他の中米諸国でも実施された。その後も国際協力機構 (JICA) の国際協力専門員として中南米のみならずアフリカ、アジア、中近東での教育案件の協力事業に関わり、現在は再びエルサルバドルにおいて小中等教育算数・数学指導力向上プロジェクトのチーフアドバイザーとして活動している。
 とまどいつつも算数教育の現場に立った時から、日本が初めて開発途上国の算数教科書開発への技術協力に踏み込み、中米で広域“算数大好き”プロジェクトの発足と展開に奔走し、さらにこれを高校の数学教科書開発などに拡大しながら、人材育成、教育立国をめざす過程を長い経験と実績から具体的に語っており、生きた国際協力の姿を知ることができる。
 JICAが協力したプロジェクトの歴史を再構築し、著者のメッセージを伝えるJICA研究所の「プロジェクト・ヒストリー」シリーズの一冊。
                               〔桜井 敏浩〕

 (佐伯印刷出版事業部 2017年3月 202頁 1,500円+税 ISBN978-4-905428-69-5 )

 〔『ラテンアメリカ時報』2017年夏号(No.1419)より〕