『チェ・ゲバラ名言集』 米津篤八・長谷川圭訳、 『ゲバラ 100の言葉』 別冊宝島編集部編 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『チェ・ゲバラ名言集』 米津篤八・長谷川圭訳、 『ゲバラ 100の言葉』 別冊宝島編集部編

エルネスト・ゲバラは、カストロ兄弟等とともにキューバ革命を闘い抜いた後革命政権の工業相等の要職に任じられながら、主にソヴィエト連邦との協同をめぐってカストロとの間に次第に確執が生じたと言われ、1965年に大臣職を辞しキューバ市民権を放棄して、フィデル・カストロに「別れの手紙」を遺して反帝国主義闘争を支援するとしてコンゴの内戦に参加、66年にはボリビアに潜入して革命を提唱しゲリラ戦を開始するが、支援組織の組成がままならぬまま支持基盤になる筈の農民たちの密告によって次第に掃討軍に追い詰められ、67年10月にボリビアでのゲリラ戦で負傷しボリビア政府軍に捕らえられて39歳で射殺された。

この革命家としての殉じた生涯はいまだに世界中で多くの人を惹きつけ心酔する者が多いことから、死後50年も経った現在でもゲバラに関する本の出版が続いている。(本項でも既刊のそれらの一部を紹介している。http://latin-america.jp/?s=%E3%82%B2%E3%83%90%E3%83%A9&cat=18 2017年8月にも『ゲバラのHIROSHIMA佐藤美由紀 双葉社 が刊行される。)

『チェ・ゲバラ名言集』は、英語と朝鮮語/ドイツ語翻訳者が英文資料  “CHE GUEVARA SPEAKS”(1967年刊)を底本として、1957年の中国共産主義者ジャーナリスト等のインタビュー、ゲバラの国内外会合での演説や寄稿論文、ゲリラ戦教本などを抜粋、飜訳したもの。

(エルネスト・ゲバラ 米津篤八・長谷川圭訳 原書房 2017年1月 256頁 1,600円+税 ISBN978-4-562-05370-4 )

『ゲバラ 100の言葉』は、「世界を、自分を変えよ!」「働く情熱を持て!」「人生を行き尽くせ!」「旅するように生きる」「家族を愛し、友を信じる」の項に分けて25~75字程度の彼の言葉を抜き出して、その発言の背景や当時の状況についての簡単な説明を付したもの。

(別冊宝島編集部編 宝島社 2016年2月 223頁 1,000円+税 ISBN978-4-8002-5022-3 )

いずれもそれぞれの採択した言葉の意義と、革命家であると同時に政治家、家庭人でもあったゲバラの特に革命政権樹立後の実績と評価にどう結びつくのか? がよく整理されておらず、ゲバラの心酔者ならいざ知らず、史料的価値がどこまであるか疑問だが、後者には往時の貴重な写真が数多く収録されている。

〔桜井 敏浩〕