講演会のご報告「アルゼンチンと日本の戦略的互恵関係に向けて」(2017年11月7日(火)開催) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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講演会のご報告「アルゼンチンと日本の戦略的互恵関係に向けて」(2017年11月7日(火)開催)

【日時】2017年11月7日(火)15:00~16:30
【場所】フォーリン・プレス・センター
【講師】アラン・ベロー駐日アルゼンチン共和国特命全権大使
【参加者】日本アルゼンチン協会との共催で定員の70名を超える参加者を得た

講演の概略は以下の通り。

1.アルゼンチン内政概観
10月22日の議会選挙で与党連合が議席を伸ばし、政治基盤が安定した。

2.マクロ経済見通し
最近の平均成長率は年率4%。消費、投資ともに堅調な伸びを示している。不動産市場が活発であり、工業部門の80%が好調。2018年はインフレ率10%を目標としている。

3.世界との比較
大豆油、油カスの輸出では世界第1位、大豆、とうもろこし、ひまわり油の輸出では世界第3位のシェアを誇る。農産品の他、シームレス鋼管、ワイン、牛肉、牛乳などの輸出国である。IT分野ではe-コマースのメルカドリブレの売上高が石油会社のYPFを凌いでおり、情報技術産業も盛んである。

4.経済政策
●2016年から17年にかけてマクリ政権は、これまでのアルゼンチンが抱えていたネガティブな側面(多くの規制と保護、情報開示と透明性の欠如)を変えるべく、様々な制度改革を行ってきた。規制緩和(金融、税制措置による貿易と投資の促進等)、新たな法律の制定(中小企業法、起業家法、PPP(公民連携)法等)、統計手法の改定等々。中でもPPP法は重要である。

●邦鉱業協定により、各州が個別に管理していた鉱業部門を連邦規模で統一し、投資を活発化させている。

●労働協定(業種別)により、賃金コストを引き下げ、非正規雇用の正規化を図る。

●対外的には対外開放政策の下で積極的に貿易交渉を行い、地域枠組みに参加して行く。地域統合ではメルコスールに軸足を置き、太平洋同盟等とも連携して行く。アルゼンチンは2018年のG20の議長国であり、引き続きOECD加盟に向けて努力して行く。

5.日・亜戦略的パートナーシップ
2016年11月の安倍首相のアルゼンチン訪問は57年ぶりの首相訪問であり、2017年5月のマクリ大統領の訪日は19年ぶり。両首脳の相互訪問が6カ月という短期間に実現したことは両国の関係強化をもたらした。さらにJETRO邦人職員の派遣再開、20年ぶりとなるJBICの融資再開、つごう3回の日亜経済/投資フォーラムの開催、投資ミッションの派遣等活性化した。

6.投資機会
アルゼンチン政府はインフラ、輸送、エネルギー、社会インフラ、アグロ・インダスダストリー、工業、鉱業、観光、商業など、多くの分野での投資を誘致している(Argentina Investment and Trade Promotion Agencyのホームページを参照)。中でも、鉄道輸送、エネルギー(シェールガス・シェールオイル)、再生可能エネルギー、上下水道、自働車組立・部品工業、リチウムの採鉱と加工等への外国からの投資を奨励している。
日本との間では、アルゼンチン産食品の輸出を拡大するとともに、日本からアルゼンチンへの消費財の輸出機会の余地は大きいとみている。また、中小企業の育成と国際化について日本から学びたい。

 最後に短時間ではあったが、①労働協定の可能性、②太平洋同盟とメルコスールの提携の具体的将来見通し、③リチウム開発について、の質疑応答があった。

【配布資料】
なお、本講演の説明資料はラテンアメリカ協会のホームページに掲載される(会員限定)。
“Argentina and Japan: A Strategic Partnership – A Special Lecture by Argentine Ambassador -“(PDF)
アラン・ベロー駐日アルゼンチン共和国特命全権大使 作成


アラン・ベロー駐日アルゼンチン共和国特命全権大使

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