『甦れ!日本の農業 -ラテンアメリカ国際協力から見えた穀物増産への道』 冨田 健太郎 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『甦れ!日本の農業 -ラテンアメリカ国際協力から見えた穀物増産への道』 冨田 健太郎

著者は「緑の革命」に感銘を受け東京農大に進学し土壌肥料学を学び、卒業後青年海外協力隊員としてパナマ農牧研究所に赴いたが、ここで土壌研究・試験を通じて熱帯農業に接し、国際協力の道を歩み始めた。専門家としての信用を得るためには博士学位が必要と痛感して大学院に入り直し、苦難の末に論文だけで農学博士号を取得した。以後は、栽培比較試験など野外科学的方法に基づく国際農業協力を実践し、パラグアイとエクアドルでの客員教員としての学生指導、ブラジルの日系移住地での過剰施肥、コロンビアでのアンデスに共通する塩類集積土壌の調査、その他栽培比較試験結果の普及と教育、スペイン語での研究成果の発表などを行ってきた。

「緑の革命」は高収量食糧作物を増産するために大量の化学肥料、農薬、水資源を必要とすることから、貧困小農では持続し得ず貧富の格差を拡大させ失敗したと指摘している。最後に土壌肥料学の立場から、わが国の食糧増産・生産維持のため、大豆を例に耕作放棄地や傾斜地の利用と肥料の選択、家畜の牧草飼育などの提言を付け加えている。

〔桜井 敏浩〕

(文芸社 2017年10月 231頁 1,400円+税 ISBN 978-4-286-18751-8 )