『ネイマール -ピッチでくりだす魔法』  マイケル・パート  | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『ネイマール -ピッチでくりだす魔法』  マイケル・パート 

現代ブラジルを代表するサッカー選手で、サントスFCで9年間プレーし138ゴールを挙げ6回のタイトル獲得に多大な貢献を果たし、2013年にバルセロナFCに移籍、同時に2013年のFIFAコンフィデレーション杯のブラジル代表セレソンでエースナンバー10を託され優勝に寄与した。ブラジルでの開催が64年ぶりとなり地元での優勝を目指した2014年のワールドカップ予選でネイマールは4ゴールを挙げたが、決勝リーグで準々決勝のコロンビア戦で相手デフェンダーに後ろから倒され負傷、不出場となったブラジルはドイツとの決勝戦で7対1というセレソン史上かつてない記録的大敗を喫した。

プロサッカー選手だったが、交通事故で選手生命を絶たれた父の子であるネイマールは、少年の時からサッカーについて並外れた才能と運動力をもち才覚を周囲が認めるようになって、U13を経てサントスFCのユースと契約を交わしたが、父でさえも想像できなかった早さで2006年には14歳でレアル・マドリードに誘われた。しかし、まだ海外でプレーするのは早いとサントスFCで続けることとし、サントスFCはU15チームを新たに作り彼を迎え入れた。そして2009年についにサントスFCのトップチームに昇格、2試合目で初ゴールを決め、次のコリンチャンス戦では憧れのヒーロー2002年のワールドカップでブラジルを優勝に導いたロナウドと対決できるまでに育った。その後の年間最優秀ゴール、ブラジル代表としての活躍ぶりばかりではなく、少年時代の数々のエピソード、両親等との強い家族の絆、ペヌエル・バプティスト教会に通う敬虔なプロテスタント信者であり、自分の名声を第一には考えず試合に集中する姿勢など、世界トップのストライカーの人となりを紹介した小学生中級以上対象の児童書。ブラジルで貧しい階層出身の少年がサッカーの世界で成功を勝ち取る過程の一端が判る。

〔桜井 敏浩〕

(樋渡正人訳 ポプラ社 2018年4月 207頁 700円+税 ISBN978-4-591-15871-5 )