『岐路に立つコスタリカ -新自由主義か社会民主主義か』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『岐路に立つコスタリカ -新自由主義か社会民主主義か』

 コスタリカといえば、1948年の内戦終結後軍隊を解体し非武装政策を維持、以来一貫して民主主義体制を維持し軍政や個人独裁などの中断がなかったこと、ラテンアメリカでは屈指の社会福祉を実施、国家介入の強い経済ながら経済開放、外資導入を軸とした経済開発政策、輸入代替工業化から電子・医療機器・医薬品産業、さらにはエコツーリズムを興した国として知られている。
 まだ日本ではコスタリカを論じた図書は少なく、それらの少なからぬものはノーベル平和賞を受賞したアリアス大統領の存在から非武装平和主義に焦点を置いているが、本書は等身大の、どこの国でもある光と影の面を追求した総合研究を目指した成果である。
 序章の現代の歴史変遷から、リベラル・デモクラシーの成立と変容、国民の民主主義の価値判断、特に中米に大きな影響力をもつ米国を中心した国際関係、民主主義と産業の基盤となっている教育普及の状況と制度・政策、産業構造の変化とハイテク産業誘致政策への転換、開発の課題、影の一つ地域格差とテリトリアル農村開発戦略の実態と課題を、アジア経済研究所の研究者に中米、グアテマラの専門家を加えた総合的なコスタリカ研究。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2014年夏号(No.1407)より〕

(山岡 加奈子編 JETROアジア経済研究所 2014年2月 217頁 2,700円+税)