FLACSOエクアドル
(1)FLACSOエクアドルとは
1974年に,エクアドル政府とUNESCOの高等教育振興の方針の下で1957年に創設されたFLACSOシステムとの間の協定に基づいて設立され,エクアドルの高等教育法により認可された組織です。現在,FLACSOは13の中南米の国々に置かれていますが,アンデス諸国の中ではエクアドルのみに設置されていることもあり,アンデス諸国の中のFLACSOの拠点的な位置づけとなっています。政府からの補助金と独自収入の財源をもつ教育研究機関であるFLACSOエクアドルは,同国における社会科学分野の高等教育,研究,協力等を進めており,具体的な分野としては,①人類学・歴史学・人文学,②公共政策,③開発・環境・領域,④国際関係・コミュニケーション,⑤政治学,⑥社会学・ジェンダー学についての大学院教育,研究等を行っています。また,教授陣は,多くのエクアドル国籍専門家,外国籍専門家から構成されています。
(2)海外の大学・高等教育機関との交流
FLACSOエクアドルは,これまで,北米,欧州との大学や高等教育機関と間で枠組み合意を署名し,実務的に研究者等の交流を実現する形で協力関係を構築してきており,2012年9月から現在までに50の機関と協力合意を結んでいます。アジアとの関係も重要されていますが,日本とは2012年に同志社大学と枠組み合意を結んでいるのみとなります。
(3)講演会やセミナー,シンポジウム
FLACSOエクアドルは,独自の教育研究棟(ビル)が2つと近代的な図書館・会議棟を保有しており,これら施設を利用して,国際情勢や貿易・投資,環境・気候変動,ラ米統合等,日本とFLACSOエクアドルの間で互いに関心の高いテーマについての講演会やセミナー,シンポジウムを行うこともできます。なおFLACSOエクアドルは,コレア現政権にも大臣や長官クラスの人材を送り出していることもあり,政府関係者ないし民間団体との良好な関係を築いているため,比較的中立的な立ち位置で様々イベントを開催することができるという特徴があります。
● FLACSOエクアドルの事業詳細:http://www.flacso.org.ec
● 住所・電話番号:La Pradera E7-174 y Av. Diego de Almagro- PBX.: (593 2) 3238888 – Fax: (593 2) 3237960 – flacso@flacso.org.ec – Quito, Ecuador
PROMETEO
(1)「PROMETEO」は,海外の研究者との交流を進めるエクアドル政府のプログラムであり,科学・技術分野における博士号を持つ海外研究者に対して,最低4か月から最長1年(延長可能)のエクアドルにおける研究費,滞在費,航空運賃代,保険費用,研究出張費,謝金(上限:6,000米ドル/月)を支給するものです。派遣さらた後,研究者は国家研究機関,大学,公共機関に所属します。募集は随時実施しています。
(2)なお,エクアドルの科学・技術の発展を目指し,政府が優先する研究分野は次の通りです。①自然・環境・多様性生物②再生可能資源・エネルギー③保健④農業・牧畜・漁業⑤自然科学,科学情報・コミュニケーション,防災。
●「PROMETEO」プログラム詳細・募集フォーマット:
http://prometeo.educacionsuperior.gob.ec/Prometeo/inicio.do
細野昭雄ラテンアメリカ協会副会長のエクアドル訪問報告
在エクアドル大使館を通じて当協会が関係強化を図っているFLACSO(詳細はHPを参照:https://latin-america.jp/flacso)の要請を受け、細野昭雄ラテンアメリカ協会副会長が5月15日にエクアドル首都キトにて講演を行いました。その内容は添付書の通りですが、この機会にファン・ポンセFLACSOエクアドル代表ほか関係者と面談し、同機関との意義ある情報交換かできましたので、皆様にご報告申し上げます。