【季刊誌サンプル】輝く民主主義の国 ドミニカ共和国 早川 修(在ドミニカ共和国大使) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【季刊誌サンプル】輝く民主主義の国 ドミニカ共和国 早川 修(在ドミニカ共和国大使)


【季刊誌サンプル】輝く民主主義の国 ドミニカ共和国

早川 修(在ドミニカ共和国大使)

本記事は、『ラテンアメリカ時報』2025年春号(No.1450)に掲載されている、特集記事のサンプルとなります。全容は当協会の会員となって頂くか、ご興味のある季刊誌を別途ご購入(1,250円+送料)頂くことで、ご高覧頂けます。

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輝く民主主義の国 ドミニカ共和国 早川 修(在ドミニカ共和国大使)

はじめに
執筆者は昨2024年10月下旬にドミニカ共和国(以下ドミニカ(共))に赴任した。今回本稿を執筆する機会を得たので、ドミニカ(共)の現状と課題について論じたい。本稿は全て執筆者個人の見解である。
2024年大統領選挙で再選され2期目に入ったアビナデル大統領は、国民の高い人気を背景に安定した政権運営を続けており、生活水準の向上や貧困削減などの課題に取り組んでいる。ドミニカ(共)は、安定した民主主義や観光産業、米国、EU及びカリブ地域との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を背景に、年率5%の経済成長を実現しており、GDPはラテンアメリカでは7番目である。一人あたりGDPも1万1000ドルを超えており、ブラジルよりも高い水準にある。

ドミニカ共和国の横顔
ドミニカ(共)は、カリブ海でキューバに次ぎ2番目に大きなエスパニョーラ島の3分の2を占め、ハイチと国境を接する。カリブ地域の東側に位置するドミニカとは別の国である。人口は約1200万人で、面積は九州の約1.3倍で、九州と高知県を足した面積に相当する。
首都サントドミンゴのラス・アメリカス国際空港は、米国ニューアーク・リバティー国際空港からは空路で約4時間であり、北米からのアクセスには恵まれている。実際、サントドミンゴから車で3時間弱の距離にあるプンタカナには北米や欧州から多くの観光客が訪れている。したがってドミニカ(共)は北米に住む日本人にとっては身近な存在になりつつある。
ドミニカ(共)は日本では野球やバレーボールの強国として知られているが、熱帯に位置し一年中最高気温は30度前後となるため、屋外でのスポーツを楽しむには早朝などの限られた時間を活用する必要がある。
ドミニカ(共)の治安は他のラテンアメリカ諸国と比べると良好で、OECDが2024年に公表した「Caribbean Development Dynamics 2025」によると、人口10万人あたりの殺人件数は約12人であり、ラテンアメリカ平均の約15人、カリブ諸国平均の約24人より少なく、カリブ諸国15か国中4番目に低い数値となっている。
日本との関係で忘れてはならないのは日本人移住者の歴史である。1956年にドミニカ(共)に最初の移住者が到着して以来、日本人移住者は様々な苦難を乗り越えドミニカ(共)の発展に貢献してきた。