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ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート 「ラテンアメリカ・カリブ諸国の気候変動対策の展望(下)― ビジネスチャンスと課題」桑山幹夫

ラテンアメリカ・カリブ(LAC)地域が世界の温室効果ガス(GHG)排出量に占める割合は7%に過ぎない。その一方で、LACは世界でも最も「自然資本(natural capital)」に恵まれた地域の一つである。LAC地域は世界の森林被覆量の約4分の1を有しており、熱帯林に限ってみると約50%を占める。南米のみで世界の地表の「炭素ストック」の約35%を占めることから、LAC地域のエコシステムの保全は人類の生存にとって非常に重要であることはよく知られている。気候変動対策を世界で有効的に展開していく過程においてLAC諸国が果たす役割は大きい。

LAC諸国が気候変動に取り組むうえで、① ブルーカーボン、② 水素とバイオ燃料、③ 炭素中立的な農業慣行 ④ SDG債や炭素取引、など「自然ベースのソリューション(NbS)」が大きなビジネス機会を提供すると考えられる反面、LAC諸国は、① 高い化石燃料依存から生じる過渡期リスク、② 予測される電力需要の増加と水力発電の減少による影響、③ 外的資金援助に頼らざるを得ない「国が決める貢献(NDC)」の公約達成など、幾つかの問題に直面している。脱炭素化は、潜在的に勝者と敗者を生み出すもので、慎重に対処しなければ社会的に負の影響を及ぼす可能性があるため、効率的な気候変動対策を促進するには、規制改革や投資のロードマップを設計する長期戦略(LTS)が必要となってくる。

本レポート(下)では、気候変動から生じるビジネスチャンスとLAC諸国が気候変動目標を達成するにあたって直面する課題とに焦点を当てて考察する。

ファイル名(File Name) 「ラテンアメリカ・カリブ諸国の気候変動対策の展望」下_ビジネスチャンスと課題.pdf
ファイル容量(File Capacity) 1 MB
バージョン(Version) 1
作成日(Published) 2022年3月14日
ダウンロード回数(Downloaded Numbers) 295 回
カテゴリ(Category) ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート
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