講演会のご報告「アルゼンチンの現状と見通し―『鎖国』から『開国』」(2016年2月1日(月) 開催) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会のご報告「アルゼンチンの現状と見通し―『鎖国』から『開国』」(2016年2月1日(月) 開催)


 2016年2月1日14:30~16:00、東京商工会議所において福嶌教輝・駐アルゼンチン日本大使を講師とし、「アルゼンチンの現状と見通し―『鎖国』から『開国』」と題する任地最新事情報告会を開催しました。同報告会はラテンアメリカ協会と日亜経済委員会の主催、日本アルゼンチン協会の共催によるもので、約130名の参加を得ました。講演の要旨は以下の通りです。

 昨年の大統領選挙で中道右派のマウリシオ・マクリ大統領が僅差で中道左派の与党ダニエル・シオリ候補を退けた。マクリ政権は矢継ぎ早に政治・経済改革を打ち出しており、アルゼンチンは「鎖国」のような状態から「普通の国」に変わりつつある。講演では、その変化の内容に関して、前政権と現政権を対比させながら、政治、外交、経済の各分野について詳細な説明が成された。これらの政策は新政権になってから1カ月余りの間に様々な成果を挙げているが、一方で労組からの反発もある。今後は、内政面では野党が過半数を占める議会対策、労組対策、経済調整に伴う痛みの緩和策を採り、経済政策面では短期政策として外貨不足の解消と為替の安定策を、中期的には信用の回復と持続的成長への道筋をつける政策を採ることになるが、その成否を判断するには6カ月程度を要するであろう。外交面ではメルコスルの活性化、太平洋同盟諸国との連携に意欲的で、日本・メルコスル対話等を通じ日亜関係の前進が期待される。

講演後に、参加者からチリとの関係、ペロン党の今後、ホールドアウト(デフォルト状態にある対外債務の交渉)の行方、奢侈税の減税等について多数の質問が出され、大使から丁寧な回答があった。

【配布資料】(PDF)
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