『コカイン ゼロゼロゼロ -世界を支配する凶悪な欲望』 ロベルト・サヴィーノ | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『コカイン ゼロゼロゼロ -世界を支配する凶悪な欲望』 ロベルト・サヴィーノ

 カルデロンPAN政権下の6年間で激化した麻薬戦争は、12万人余といわれる犠牲者を出したといわれるが、PRIのペーニャ・ニエト政権に変わっても麻薬マフィアが絡んだ暴力は未だ収まる気配はない。
 イタリアで小麦粉の最高精製度を意味する000から上質のコカインを意味する『コカイン ゼロゼロゼロ』を表題にした本書は、コカインをめぐる組織-麻薬カルテル-の仕組みと変遷、規模、影響力、構成員が参入してから殺し屋や売人等その道の“プロ”になっていく過程と手口、輸送を請け負う犯罪組織、マネーロンダリング、メキシコやコロンビアのみならず世界制覇を目論むロシア・マフィア、アフリカの経由地化、密輸のルートと手口の巧妙化などを、メキシコを中心に「物事をありのままに語って」いて、優れた“商品”であるコカインをめぐる地球規模の動き、現代社会がコカインの生み出す資本によって浸食されていることをあぶり出している。著者はナポリ出身のイタリア人ジャーナリスト。

(関口英子・中島知子訳 河出書房新社 2015年1月 521頁 2,600円+税 ISBN978-4-309-20667-7 )