『ペルー日系詩人 ホセ・ワタナベ詩集  新・世界現代詩文庫14』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『ペルー日系詩人 ホセ・ワタナベ詩集  新・世界現代詩文庫14』

1945年ペルー北部ラ・リベルタ州で岡山県から移住した父とペルー人の母との間で生まれた日系二世詩人が、2007年に没するまでの間に出した詩作のうち7つの詩集から100編を選んだ訳詩集。

現在ラテンアメリカの日系人の中で、就中スペイン語圏で詩人として知られているのは、ペドロ・シモセ(ボリビア)、ファン・カルロス・ヒガ(アルゼンチン)とこのワタナベの名が挙げられる。ワタナベとシモセは共にキューバの「カサ・デ・ラス・アメリカス賞」を受賞し、世界的にも評価されているが、移住者の父と日本人の血を引いていることを誇りにしている点でも共通している。ワタナベの詩は、父を通して受けた俳句の影響、「日本人性」が随所に現れ、スペイン語の詩でありながら行間に日本の詩を読んでいるような感じを受ける部分もあろう。

訳者の細野氏は長く海外移住者援護の政府機関に勤務、外務省に出向し在ボリビア等大使館等ラテンアメリカ各地で日系人等とも関わってきた。星野氏はベネズエラ在勤、駐日ペルー大使館勤務を経て、今はワタナベが晩年執筆に力を注いできた子供向け絵本を含むスペイン語圏の絵本の紹介に努めている。

〔桜井 敏浩〕

(ホセ・ワタナベ 細野 豊・星野由美訳 土曜美術出版販売 2016年6月 194頁 1,400円+税 ISBN978-4-8120-2315-0 )