『パタゴニアふたたび』  ブルース・チャトウィン、ポール・セルー | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『パタゴニアふたたび』  ブルース・チャトウィン、ポール・セルー

1520年にマゼランが初めて南米最南端を通過した際に到達したパタゴニアは、南緯39度以南の荒涼とした強風と乾燥、氷河が広がる大地である。博物学者のダーウィンやパンパに住んで名著『はるかな国 とおい昔』(寿岳しず訳  岩波文庫  1975年第20刷改訳)や『ラ・プラタの博物学者』(岩田良吉訳  岩波文庫  1975年第10刷改訳)の著書のある米国人W.H.ハドソン以外にも、多くの文学者を惹きつけたが、ブルース・チャトウィンとポール・セルーはトラベルライターとしては屈指のパタゴニア通である。チャトウィンは文学的旅行者と自称するが、『パタゴニア』(芹沢高志・真理子訳 めるくまーる 1990年)の著作があり、セルーも『古きパタゴニアの急行列車』(阿川弘之訳 講談社 1984年)が日本でも刊行されている。

本書は、この二人の架空のパタゴニア再訪記という形を取り、かつてのこの地を放浪した思い出、パタゴニアに関わるダンテからメルヴィルに至る文学作品の引用も多用して、パタゴニアの歴史、状況を交えてその魅力を縦横に語っている。同書名で1993年に同じ白水社から刊行された図書の再版。

〔桜井 敏浩〕

(池田栄一訳 白水社 2015年9月 109頁 1,700円+税 ISBN978-4-560-08424-3 )