『パラグアイに伝わる虹色のレース ニャンドゥティ -伝統の模様と作り方』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『パラグアイに伝わる虹色のレース ニャンドゥティ -伝統の模様と作り方』

パラグアイの伝統工芸品であるレース編みに「ニャンドゥティ」がある。パラグアイでスペイン語とならぶ先住民時代からの公用語のグアラニー語で「蜘蛛の巣」と意味するが、細い木綿の糸と針、木枠を使い、様々な模様を織り上げるレースである。スペイン植民地時代に伝導のためにグアラニーの人々の間に入っていったカトリックのフランシスコ会やイエズス会の修道士の活動とともに発展し、当初は白いレース編みであったものが20世紀になって様々な色糸を使い芸術的魅力を高めてきた。アルパ(ハープ)音楽の演奏とともにパラグアイの誇る素晴らしい伝統技能である。

著者はパラグアイに1936年に初めて拓かれた日本人移住地ラ・コルメナ生まれの日系二世で、パラグアイでニャンドゥティを習得しその後IPA(パラグアイ国立伝統工芸院)の認定指導員となり、現在は日本で教室を開くなどしてこの伝統工芸の持続とその魅力の広報に努めている。

本書では、ニャンドゥティにまつわる伝説、用途、伝統模様、イタグアなどの生産地の職人たちの姿(彼女からの高齢化にともない、継承者の育成が急務になっている)、必要道具などの説明から始め、代表的なモチーフである円形を中心に作り方を懇切に解説している。巻末にパラグアイの国情、南米最古の鉄道、日本人移住地、民芸品、世界遺産に指定されていつイエズス会の宣教村遺跡やパラグアイ料理、アルパなどの情報も付けている。

〔桜井 敏浩〕

(岩谷 みえ エレナ 誠文堂新光社 2015年6月 127頁 1,800円+税 ISBN978-4-416-31502-6 )