『古代メソアメリカ周縁史 -大都市の盛衰と大噴火のはざまで』  市川 彰 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『古代メソアメリカ周縁史 -大都市の盛衰と大噴火のはざまで』  市川 彰

 古代に、メキシコ北部からコスタリカ西部に至る領域で栄えたメソアメリカ文明の「周縁」と呼ばれるエルサルバドルに着目し、2003年から青年海外協力隊員時も含め毎年調査に赴いている少壮研究者(現在は名古屋大学高等研究院特任助教)が、紀元前1000年頃から紀元後1100年頃まで続いたチャルチョアパ遺跡を中心に、これまでメソアメリカの文明像が興亡を繰り返したマヤやテオティワカンの大遺跡の構築されてきた周縁と中心文明の接触を通じて、集団、個人の主体性・独自性にも焦点をあて、古代メソアメリカ文明史の新たな側面を理解しようとするものである。
 エルサルバドルには先スペイン時代から何度も火山の噴火の痕跡が残っており、チョルチョアパ文明は途中紀元後420年頃に近くのイロパンゴ火山の大噴火に見舞われていて、この遺跡へのインパクト、災害からの復興の研究は近年世界的に推進されている災害考古学としての一面ももっている。
                                 〔桜井 敏浩〕

(渓水社 2017年2月 233頁 6,000円+税 ISBN978-4-86327-380-1)

 〔『ラテンアメリカ時報』2017年秋号(No.1420)より〕