『スペイン語で親しむ 石川啄木 一握の砂 UN PUÑADO DE ARENA Ishikawa Takuboku』 伊藤 昌輝編訳 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『スペイン語で親しむ 石川啄木 一握の砂 UN PUÑADO DE ARENA Ishikawa Takuboku』 伊藤 昌輝編訳

 明治の青春の記念碑として日本人の間に永く親しまれてきた啄木文学。 「東海の小島の磯の」や「たはむれに母を背負ひて」など、石川啄木の歌をいくつか諳んじられる人は少なくない。啄木の歌は現代でも生きており、そのなかでも最も魅力あるのは『一握の砂』であろう。ドナルド・キーン氏は、「日本近代文学を通読すると、私は啄木が最初の現代人であったというような気がしてならない」と述べている。また啄木自身は、「一生に二度とは帰ってこないいのちの一秒だ。おれはその一秒がいとしい。ただ逃してやりたくない…、おれはいのちを愛するから歌を作る。おれ自身が何より可愛いから歌を作る。」と述べている。
 本書は『一握の砂』551首全首を掲載、左ページにスペイン語、右ページに日本語を配置し、両言語で味わえるようになっている。啄木自身の自筆ノートを資料として多く掲載しており、日本の近代文学の研究書としても価値があろう。さらにスペイン人による朗読CD付の画期的な1冊である。
                              〔伊藤昌輝・訳者〕

 (エレナ・ガジェゴ監修・CD朗読 大盛堂書房 2017年11月 256頁 1,900円+税 ISBN978-4-88463-121-5 )