『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』 山根 一眞 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』 山根 一眞

 チリ北部アタカマ高地の標高5,000mのチャナントール高原のアルマに、66台の電波望遠鏡をつなぎ合わせて天体観測する欧米との国際プロジェクトに関わった、国立天文台の科学者、三菱電機、素晴らしい技術力と熟練技をもつ協力企業・職人たち、巨大で精密な設備を輸送する専門企業等々が、書名のとおりスーパー望遠鏡を創造し現地に運び、組み立てと据え付けを行い、観測を成功させるまでのドキュメンタリー。
 同プロジェクトを推進する欧米より予算措置等が2年遅れ、日本抜きで口径12mのパラボラアンテナ各25台設置で先行されてしまったものを、2004年に何とか同口径4台、7m口径12台の計16台を受け持つことで参加することとなった。128億光年彼方の微細な電波を捉えるための鏡面等への超高精度加工の要求、輸送のために重量と大きさの制約、昼夜の温度差の大きい高地で歪まぬようにする対策などの難問を、関係者の「デスマッチ」ともいえる工夫と努力によって、ついにアンデス高地で先行した欧米の望遠鏡より先にテスト観測に成功、成果を上げるまでに至った国際共同プロジェクトの物語。
                                〔桜井 敏浩〕

(日経BPコンサルティング発行・日経BPマーケッティング発売 2017年7月 279頁 1,500円+税 ISBN978-4-86443-042-5 )