『チリワイン』 山本 博、遠藤 誠 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『チリワイン』 山本 博、遠藤 誠

 日本のワイン輸入は長年フランスが数量・金額とも第1位であったが、2014年についに量的にはチリ産がバルクワインを含めるとフランス産を追い抜いた。このチリワイン輸入の勢いは当面続くとみられる。チリの生産者・輸出者、輸入商社、そして駐日チリ大使館や輸出振興機関等の長年の販売と品質向上の努力に加え、日本・チリ間経済連携協定(EPA)の締結(2007年)により関税が段階的に引き下げられたこともあり、日本の消費者の間ではチリワインはコストパフォーマンスが良いとの評価が定着してきている。
 本書は第1部で、チリの地勢・気候、チリでのワイン作りの歴史の概説から始め、ブドウの種類、チリのワイン法制、北部・中央部・南部の生産地区ごとの生産状況と近年の水の灌漑技術の向上によるこれまでの生産地区分の変化の動向、アンデス山脈と太平洋によって孤立した地勢が病害虫の進入を防いでいることから、有機農法とオーガニックワインに優位性があることを指摘している。第2部は主要ワインの主要生産者とその特性、ワインとその関連用語、食事のためのスペイン語用語、遠藤氏の推薦するチリワインを列挙した資料を付けている。日本輸入ワイン協会の会長にして世界ソムリエコンクールの日本代表審査委員と事務局長が纏めた、この1冊でチリワインが判る総合解説書。
                                〔桜井 敏浩〕
 (ガイアブックス 2017年7月 206頁 1,800円+税 ISBN978-4-88282-980-5)

 〔『ラテンアメリカ時報』2018年春号(No.1422)より〕