『現代ラテンアメリカ経済論』 西島 章次・小池 洋一編著 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『現代ラテンアメリカ経済論』 西島 章次・小池 洋一編著


開発途上国の中でも最も早く、最も徹底して市場経済化とグローバル化、経済の新自由主義改革を試みたラテンアメリカの多用な問題と政策を、12人のラテンアメリカ研究者が総合的に解説している。変貌する経済の発展過程と今日的課題の導入部から、グローバリゼーションを市場自由化、マクロ経済問題、金融、地域統合やFTA 戦略から考察し、産業と企業の発展、資源輸出の増大、農業産品輸出、開発にともなう環境保全の問題、貧困と所得分配の不平等、社会保障・扶助政策への取り組み、地方分権化の進展と課題、経済自由化政策が多くの左派政権を誕生させた政治変化を論じ、最後にラテンアメリカのポストネオリベラリズムの課題を提起している。

各章の冒頭に要旨を整理して掲げ、多くの図表やコラムによる事例や事項解説、巻末の基礎統計、年表なども理解を助ける構成になっており、この1冊を通読すれば、現代ラテンアメリカ経済開発の構造と問題、課題とそれを克服しようとする政策が概観出来る。

(ミネルヴァ書房 2011年4月 279頁 3500円+税)

『ラテンアメリカ時報』2011年夏号(No.1395)より