『ラテンアメリカ鉄道の旅 −情熱の地を走る列車に乗って』 さかぐちとおる | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『ラテンアメリカ鉄道の旅 −情熱の地を走る列車に乗って』 さかぐちとおる

ラテンアメリカはじめ世界各地の旅行ガイド記事や世界の鉄道についての記述も多いライターによる、ラテンアメリカ11カ国の鉄道に乗る旅の紀行記。

ブエノスアイレス、サンチャゴの地下鉄、両国南端のパタゴニア、大平原や雲の上を走る山岳鉄道に至るまでのアルゼンチン、チリの鉄道、リオデジャネイロの路面電車や登山電車、サンパウロの地下鉄から広大な大地を走る鉄鉱石輸送の路線を走る長距離鉄道のあるブラジル、南米最古の鉄道のあるパラグアイ、インカ帝国の旧都クスコからマチュピチュやティティカカ湖に向かうアンデス高地鉄道、ボリビア低地サンタクルスからブラジル国境へ、高地オルーロからウユニ塩原を経てアルゼンチン国境へ向かうボリビア鉄道、ラテンアメリカの多くの国と同じく道路整備を優先しバスと自動車に取って替わられごく短区間の鉄道運行しか残っていないエクアドルとコロンビア、かつて中米横断の要路だったパナマ運河沿いの鉄道、東西幹線鉄道網はあっても、米国の経済制裁と砂糖産業の劣化、物資の不足で極度に保守が悪化しているキューバの鉄道、世界で最も標高が高い地下鉄が発達したメキシコ市とテキーラ、チワワでそれぞれ工夫を凝らして運行されている観光列車などなど、ラテンアメリカ各地の鉄道を乗っての数々のエピソードに、その国の鉄道運営の問題点の指摘やスペイン語やアルゼンチン民俗舞踊も習ったという著者と乗り合わせた乗客との対話が散りばめられている。口絵の9枚以外の写真はサイズも小さくモノクロなのが残念。

(彩流社2013年7月310頁2200円+税)