講演会のご報告「大統領選を控えたニカラグアの現況を語る」-今井 泰志 駐ニカラグア大使講演会-(2016年10月4日(火)開催) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会のご報告「大統領選を控えたニカラグアの現況を語る」-今井 泰志 駐ニカラグア大使講演会-(2016年10月4日(火)開催)


【演題】大統領選を控えたニカラグアの現況を語る
【講師】今井泰志 駐ニカラグア大使
【日時】2016年10月4日(火)
【場所】一般社団法人 日本倶楽部

 今井泰志 駐ニカラグア大使を迎えてニカラグアの最新情勢について伺いました。約40名の方にご参加いただきました。講演の要旨は以下の通りです。
 
・2007年からダニエル・オルテガ・サアベドラ大統領の長期政権が続いており、2014年12月には憲法改正により大統領の無期限再選が可能となった。国民の支持も全般的に厚高いため、2016年11月の大統領選では再選が確実視されている。副大統領選には夫人のムリージョ氏が立候補している。ムリージョ氏は若者を取り込んでおり影響力が拡大している。
・政治的には反米路線だが、貿易の最主たる相手国は米国。主な輸出品はコーヒー、白胡麻、牛肉といった農産物になである。
・外交面では引き続きコスタリカ、コロンビアとの国境紛争を抱えている。
・日系進出企業は、矢崎ニカラグアが最大手で、国内5カ所でワイヤーハーネスなどの自動車部品を製造し、メキシコ・米国などに輸出している。ほかにはYKK、NIPR、電気器具販売業のSYLの4社がある。
・ニカラグア運河は2014年に起工式を行ったが、その後、工事は進んでいるようには見えない。政府等の情報統制が厳しいためか、進捗状況や、反対運動が指摘している環境破壊問題に対する対策など、情報が外に流れて来ない。全容が明らかになるにはもう少し時間が必要だろう。
・ニカラグアのほかに中南米各国に赴任したが、多くが親日国だ。日系人が多く暮らす中南米とは今後も関係を深めていくべきだろう。

 講演後の質疑応答では、運河計画への反対運動や研究・調査の現況について、独裁とも指摘されているオルテガ政権への国民の反応等についてお答えいただいた。

【配布資料】
「ニカラグア共和国概況 -最近の政治・経済情勢等-」
在ニカラグア大使館 作成
※配布資料はHPイベント>配布資料に掲載されています。会員限定となりますので、ご了承ください。


今井泰志 駐ニカラグア大使

会場の様子