【日時】2017年8月31日(木)
【場所】フォーリン・プレスセンター
【講師】
■ナオユキ・トヨトシ駐日パラグアイ共和国大使(兼・駐ベトナム・パラグアイ大使)
「パラグアイに生きる」
■上田善久前駐パラグアイ共和国日本国大使「変貌するパラグアイの魅力」
【参加者】約60名
ナオユキ・トヨトシ駐日パラグアイ共和国大使と上田善久前駐パラグアイ共和国日本大使をお招きし、「南米パラグアイと私」と題してご講演いただきました。講演の要旨は以下の通りです。
■ナオユキ・トヨトシ駐日パラグアイ共和国大使「パラグアイに生きる」
・早稲田大学政経学部を卒業後、大阪商船(現 商船三井)を経て、1960年に陶磁器製造やおもちゃを輸入する会社の誘いでアルゼンチンに渡り、ブエノスアイレスで9年間勤務。1969年に独立を決意してパラグアイのアスンシオンに移住、ホンダ車の輸入代理店トヨトシを設立した。後にトヨタ車の輸入も始めた。当時は現地でのトヨタの知名度が低かったため、ラリーに積極的に挑戦するなどイメージアップにも取り組んだ。その後、日野自動車、ダイハツ、ソニーなどの総代理店を兼ねるなど事業を拡大したが、その過程で病気や80年代の南米債務危機など、さまざまな苦労と挫折を経験し、実に山あり谷ありの人生であった。その中でも、常に希望を捨てず、家族の支えと幸運にも恵まれ事業を続けることができた。今は息子に会社経営を任せ、自動車、運輸、携帯電話等へと事業を多角経営し、カナダにも進出している。その間、長くパラグアイの日本人会会長を務めたほか、学校設立などの社会貢献にも気を配った。
・1991年にパラグアイ政府より国家功労賞、1998年にはコメンダドール(騎士団)国家勲章を授与された。2006年には日本国外務省から功労賞、天皇陛下より旭日小援章を授与された。
・2009年にパラグアイ政府から駐日パラグアイ大使就任の打診を受け、悩みに悩んだ末、自分を受け入れてくれたパラグアイに恩返しをと決断し、同年12月に日本に着任し、今日に至っている。
■上田善久前駐パラグアイ共和国日本国大使「変貌するパラグアイの魅力」
・パラグアイは大国に挟まれた小国と、日本では軽視する向きもあるが、この数年で大きく変貌を遂げている。排外的思想がなくビジネス環境も優れている。
・魅力の一つが日系社会の存在だ。人数は少数派だが存在感がある。昨年は日系移民80周年を迎え、各地で様々なイベントが行われた。9月には眞子内親王殿下が式典にご出席。ご滞在中、約1000キロの陸路を車で回って各地の日本人入植地を訪問し、眞子さまフィーバーが巻き起こった。
・二つ目の魅力は「小粒でもうまい」投資環境。メルコスールに属しているためブラジル、アルゼンチンというメルコスール市場がある。ブラジル企業もパラグアイに積極的に進出している。一時期、他のメルコスール加盟国との関係が悪化し資格停止処分を受けたが、4年前に完全復帰。今後もビジネス重視の基本姿勢は崩れないだろう。
講演後、出席者との間で質疑応答があり、パラグアイ人の魅力や今後お勧めの観光地についてお答えいただいた。
ナオユキ・トヨトシ駐日パラグアイ大使
上田善久前駐パラグアイ日本大使
会場の様子