世界各国のオーケストラを、(1)国の演奏水準を代表する存在、(2)1シーズン100回前後以上、公演を行っている、(3)演奏水準が国際級で楽旅を頻繁に行っている、(4)国際的演奏サーキットで演奏を評価されている、(4)推薦に値するディスクを備えている、という基準設定を設けて、各オーケストラについて、各5~6頁ずつ概説している。
本書で取り上げられた55のオーケストラのうち45が米国、4がカナダであり、中南米はメキシコから「メキシコ国立交響楽団」「メキシコ州立交響楽団」、アルゼンチンから「ブエノス・アイレス・フィルハーモニック」「アルゼンチン国立交響楽団」、ブラジルの「サオ・パウロ州立交響楽団」、ベネズエラから「ベネズエラ・シモン・ボリヴァル交響楽団」の6オーケストラを、27頁を使って解説している。
これら4か国の政治・社会情勢の中でクラシック音楽の演奏環境、変遷、歴代音楽監督や聴衆、推薦ディスクを挙げている。
〔桜井 敏浩〕
(芸術現代社 2015年7月 323頁 2,500円+税 ISBN978-4-87463-203-1 )