1948年に長野県で生まれ、家族でブラジルに移住し、サンパウロ大学法学部卒業後弁護士登録、国費留学生として東京大学法学部で博士号を取得、以後教職・研究者、弁護士のほか、日本の皇室や両国元首級を含むポルトガル語・日本語通訳・翻訳家、ブラジル日系人団体役員、ブラジルの日本への就労者支援組織の代表等々、ブラジル・日本両国関係で「日系人」を超えて協力関係強化に偉大な役割を果たしておられる二宮正人教授を慕う29人の研究者による25編の論文を集大成した記念論集。
Ⅰ 日本法では日本法とブラジル法の出会いや両国民の離婚の裁判管轄等、Ⅱ ブラジル法では司法アクセス、両国間の司法共助制度、ブラジルにおける労働法制等、Ⅲ 比較法では外国法の適用、国際人権法における先住民族の権利保護、集合訴訟制度の両国の比較等のテーマとともに、日本、ブラジル、イタリア法やペルーの離婚手続き法、ロシア民法典などに至るまで、それぞれ内容の濃い国際的な視点での論考が収録されている。
〔桜井 敏浩〕
(柏木 昇・池田真朗・北村一郎・道垣内正人・阿部博友・大嶽達哉編 信山社 2019年7月 661頁 17,800円+税 ISBN978-4-7972-8215-3 )
〔『ラテンアメリカ時報』 2019年秋号(No.1428)より〕