『ワンダーランド ブラジル -5つのエリア 未知なる素顔と7つの魅力』 田所 清克・玉川 裕子 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『ワンダーランド ブラジル -5つのエリア 未知なる素顔と7つの魅力』 田所 清克・玉川 裕子 


 ブラジル文学等を通じて地域研究を続けてきた京都外国語大学名誉教授と、ブラジルのコーヒー鑑定士の資格をもつ歌人による、ブラジルの素顔、魅力を伝える案内書。
アマゾン河の中下流の大自然が旅人を魅了する北部、植民地化の歴史が古く芸術と文化の宝庫の北東部、サンパウロやリオデジャネイロというメガロポリスで産業と文化の中心である南東部、欧州移民が多く欧州的文化景観の南部、大湿原パンタナルや新首都ブラジリアがあり、農牧業のフロンティアである中西部の5つの地域を紹介するⅠ部、コーヒー、ブラジル大衆音楽、民衆の祭典、国民食とも言えるフェイジョアーダ、国民酒カシャサ(ピンガ)、ポルトガル語だけでないインディオの言語、世界をリードするバイオマスの利用という7つのテーマのⅡ部に、移民110周年を迎えるブラジルの文化、文明に参画している日系人についての終章を加え、学術的根拠をもつ地域・文化の解説と短歌、コラムが盛られた読みやすいブラジル理解を助ける入門書。

〔桜井 敏浩〕

(角川文化振興財団発行・KADOKAWA発売 2019年10月 263頁 2,500円+税 ISBN978-4-04-884255-6 )

 〔『ラテンアメリカ時報』 2019/20年冬号(No.1429)より〕