【演題】エルネスト・チェ・ゲバラ最後の日々
【講師】島袋正克(有)伊島代表取締役(在サンタクルス)
【日時】2022年8月4日(木)21:00~22:15(日本時間)08:00~09:15(ボリビア時間)
【場所】オンライン
【参加者】91名(ボリビア、メキシコ、アルゼンチン、ブラジル、チリからの参加者を含む)
「ラテンアメリカなるほどトーク」の2022年第4弾として、ボリビアのサンタクルス在住の著名ビジネスマンで(有)伊島の代表取締役の島袋正克氏に「エルネスト・チェ・ゲバラの最後の日々」というテーマでお話しいただきました。
昨年6月には、「Okinawa to 沖縄」というテーマで、サンタクルスの沖縄コロニアから日本への穀物輸出の成功例についてお話いただきましたが、今回は、チェ・ゲバラという大変興味深いテーマにつき、ご本人の体験に基づき語っていただきました。
ゲバラは、1967年、ボリビアの東部、サンタクルス県のジャングルに入って戦い、ボリビア軍に捕らえられて処刑されますが、同じ年、14歳の島袋少年は、家出をし、サンタクルスからラパスに行きました。途中で、ゲバラ率いるゲリラ集団を捜索するボリビア軍の検問に何度も会ったこと、当時のサンタクルスの様子を詳細に紹介されました。
その後、2006年にチェを訪ねて、バジェエ・グランデ村でチェ・ゲバラ資料館、死体が公開された場所、ラ・イゲラ村では、チェが射殺された小学校の跡、エル・チューロ村では、チェがボリビア軍に捕まったところをそれぞれ訪問した際の臨場感あふれる話がありました。
さらに2017年の「チェ・ゲバラ没後50周年」式典の様子の紹介があり、最後に、チェを捕まえたボリビア軍のガーリー・プラド将軍(当時大尉)との面談の詳細な内容が語られました。この講演のために、島袋氏が直前に行ったインタビューです。
島袋氏の結論は、彼が、死に場所として、ラ・イゲーラを選択した理由はEstrategia(戦略)ではなくNostalgia(郷愁)に違いない。だから作戦は失敗に終わったが、南の稜線を超え、もうひとつ尾根を越えれば真っすぐで平たんな道が彼の故郷、アルゼンチンへと続いている。キューバで戦い、コンゴで失意し、そして、キューバに帰れなくなった男。ボリビアで戦い疲れたエルネストは故郷に帰る夢を見ていたのではないだろうか。だからこそアルゼンチン国境に近いこの地を選んだのではないか・・ということです。
現場感覚に基づく、大変感動的なお話でした。その後の質疑応答も活発でした。
「エルネスト・チェ・ゲバラ最後の日々」島袋正克(有)伊島代表取締役ご講演資料