執筆者:ピーター藤尾(在チリ・サンティアゴ)
「政治」
1)ボリッチ動向
社会騒乱の時の被害者を援護する集会に、他の大臣と共に参加し、皆さんの健康が戻るよう最大の援助をしたいとしました。例えば、警官の撃った催涙ガス弾が目に当たって失明したとかです。もちろん、そういう警察の過剰防衛はありますが、けが人の多くはデモとして犯罪行為をしていた時のことで政府の責任と言うわけではないでしょうが。
土曜日に彼はコロンビアに飛びました。同国の新大統領就任式に出席するためです。
2)大臣の行動
今週はいろんな動きがありました。もっとも派手だったのは、大統領府の大臣をするジャクソンです。彼は学生運動時、ボリッチの仲間でした。彼はチリが民主化してからの政府について、(多くは中道左翼連合ですが、右翼のピニェラも2回あります)自分たちの政権はその右翼とも中道左翼とも異なったベースを持つとしました。つまり現行の与党政権グループが確立したものではないとしたわけです。
もちろん今までの政権時の中心グループの社会党やキリスト教民主党DCからクレームが出ました。与党内のバラバラが続きますね。確かに社会党やDCの時代は現政権中枢の新左翼や共産党はファンクラブと言う感じで政権には全くタッチしていませんでした。新聞の社説に、それに関し、従来の中高年の政治家と30代の彼は年代が違う。それは取り戻せない大きな差異になるとされましたが、ボリッチ政権はそれをどう扱うのかな?
与党内の問題と似たように野党内でもちぐはぐの動きが目立っています。それから大蔵大臣が路上で花束を買いました。その露店の近くに花屋さんがあります。どうして正規の店で買わないで露天商で買うのと疑問が出ました。他にも何人かの大臣に似たような問題が起きています。
、
3)新憲法
とうとう新憲法是非の投票に関する両方のグループの宣伝をするテレビ番組が始まりました。まだ拒否するが約10%ほど賛成側より多いです。さてその宣伝ビデオを見ましたが、イメージだけでどうして賛成するのか反対するのか良く分かりません。賛成の宣伝で、各自の収入に関係なく病気・怪我の治療を受けることが出来るのは新憲法のおかげだとする場面がありました。ボリッチが言っている通りですね。しかし、ちゃんとそれが実現できるのかな?新憲法委員会の動きと言うニュースで、今年の初め、衆参院の2院制を辞め。一院にするアイデアが出された時、多くの委員はこれで新憲法委員会は自滅すると考えたとか。新憲法を国民のほとんどが応援すると言う当初の動きが、大きく変わったのは委員の素質の性だったわけですね。
「経済」
1)銅価格と為替
1ポンド3.55ドルと先週末とほとんど同じ。為替は1ドル904ペソと安定です。それがチリ経済の基本ですが、国債の増加が問題になっています。2007年は国の借金がGDPの5%未満でしたが、それが年々増加し今年は38%が予想されています。つまり右も左も借金を大きくしてきたことが証明されています。問題の先送りですね。大丈夫かな?
2)厚生年金
年金運営の5クラスが先月は全部プラスで終わりました。現行AFPシステムがこの先続くのか新憲法で大きく変わるのか分かりません。
3)給料
最低賃金が今月から40万ペソになりました。ボリッチは私の任期の内にそれを50万ペソにしたいと意気込んでいます。ところで賃金が上がるペースより物価上昇率が高いので実質賃金は下がっています。その見かたで見ると、7月の実質賃金は2019年10月以降で最低でした。8月は少しは良くなるわけですね。
「一般」
1)マプチェ問題
今まで南部の2州で暴力行為が起きていましたが、それが拡大して3州になっています。いつものように放火事件が続き、飛行場で軽飛行機が3機燃やされました、もちろん車・重機や建物の放火も継続です。問題軽減のため、内務大臣が現地を訪問し、軍隊による力の制圧ではなく、会話で問題を軽減するとしましたが、銃の発砲で逃げて帰ったことがありました。その彼女は今週最北端のアリカ州を訪問し、べネスエラの麻薬グループの動きを調べました。不法移民は認めないとし、同地区で住民を全部チェックし、チリの在留許可証を持っていない(手続きをしていない)移民をすべて国外追放にすれば、問題は即時解決しますね。
2)コロナ問題
二日続けて新規患者が11000人を超しました。今までなら大騒ぎでしたが、今回は厚生省もマスコミも落ち着いています。病院が大混乱と言うこともないようです。発病しても重症で入院にならないのかな?
3)車両強奪事件
この事件が激増です。自宅の駐車場に車を入れようとすると犯罪グループが飛び出してきて、オーナーを車の外に投げ出し、車を奪って逃亡すます。同じように高速道路で車を止め後ろから車が通れなくしてから車を奪う事件が続出です。今年に入って5600件。昨年同期の2倍を超えています。以前、ATMの現金を引き出す機械が狙われた時期がありましたが、その犯人の刑を厳しくすると事件は無くなりました。つまり、今回もその犯罪の刑を今より厳しくすると問題が少なくなると思います。どうかな?
「政治」
1)ボリッチ動向
南部フルティジャルの湖劇場で実施された全国の州・市長村長などの会議で中央集権を地方分権制度に変えたいとし、その方針を説明しました。先月、私はその劇場の喫茶店でコーヒーを飲みました。
2)マプチェ問題
火曜日に政府は南部のマプチェ問題で軍隊を派遣するために特別(例外)州の設定をしているが、それを拡大してリオス州もそれに入れるとしました。ところが木曜日にシチェス内務大臣がそれを否定しました。新聞の記事では同地区の市町村長の意見はまちまちで軍の駐在を依頼しているのも多くいます。つまり、軍の派遣を拡大し、軍に頼るようなシステムを作るのは好ましくないとする勢力の声が勝ったわけですね。与党内の分裂が明白です。もちろん、今週も南部のあちこちで放火事件が起きていますが、逮捕される犯人はほとんどいません。一番ひどいのは一所で13台の車が燃やされました。そして警察署への襲撃事件が起きました。今年になって14回目です。昨年は13回ですから、今年はその2倍になりそうです。新聞にボリッチ政府は事の重大性をわかっていない、もしくはそれに対応する能力がないのだろうと厳しいコメントが出ています。またマプチェの組織CAMのリーダーが森林木材の盗伐で得た金で銃器の購入をしているとコメントが出ました。いやはや。
3)憲法会議
新憲法の賛否の投票があと3週間に迫りました。世論調査の結果ですが。1月には賛成が58%、反対が33%でした。それが逆になり8月のそれでは賛成が37%、反対が47%です。賛否両グループの宣伝が毎日テレビの番組で放映されますが、反対宣伝の中で、新憲法ではチリは隣国アルゼンチンのようになってしまうとされました。そんなこと言っても良いの?
与党グループの集まりで共産党党首が私たちの声が市民に届いて、新憲法の確認は間違いないだろうとしましたが、その後、共産党の宣伝を始めると中道左派の旧政権グループはそっぽを向けました。いつもと同じですね。選挙委員会は多くの市民の投票所を変更すると発表しました。その3分の2は従来の投票所より各自の住居に近くなるとか。逆に3分の1は遠くなります。私の場合はその3分の1。がっかりです。
4)ボリビア問題
今週、ボリビアの建国記念行事がありました。10年ぶりに、サンティアゴの同国大使館で行われたそのお祝いの式に10年ぶりにチリの外務大臣が参加しました。今まで右も左もボリビアを無視してきたわけですね。ボリッチは不法移民問題でボリビアと何らかの合意をしたいと思っているようです。
「経済」
1)物価上昇率IPC
7月は1.4%、過去12か月で13.1%と1994年以来の悪い数字が出ました。打つ手はないのでしょうか。さて 観光産業への投資額は過去28年で最小となりました。もちろんその理由は観光客の激減ですが、今年の1ー5月の外人観光客は2019年のわずか20%とか。それを何とか年内に30,40,50%に上げようとしています。その手の一つとして9月から観光客の入国時に手続きを簡素化するとか。旅行業界は大喜びです。
扉を閉じていたイースター島にはコロナ患者はいませんでしたが、今週、観光客が入ると即時患者が発生。隔離されているとか。島民の暮らしとして800日も観光客が来なかったとき、収入源がないので、家庭菜園を作って野菜を植え、それを隣人が釣ってきた魚と物々交換したとか。クレヂットカードの上限を上げてもらい生活していた人も多いようです。今は週に2便ですが、それが3便に増え、年末には毎日になりそうとか。うまく行けば島民に笑顔が戻りますね。
2)ガソリン価格
ガソリン価格は毎週上がっているチリですが、15年ぶりにアルゼンチンから原油を輸入することになりました。現行の輸入価格より安いらしい。どうして15年も断絶していたのかな?経済的なことより、政治的な理由でしょうね。
「一般」
1)夏時間
9月4日からのはずでしたが、それを1週間延期しました。4日は新憲法是非の投票の日です。私は夏時間システムが好きですが、夏になったらのことで、9月はまだ夏では
ありませんから、夏時間にすると朝8時ころまで薄暗いです。
2)コロナ問題
今週、一番ひどい日は新規感染者数が13000人を超えました。陽性率は毎日ほとんど同じで15%ほどです。昨年5月に、自宅待機令が出ていましたが、その頃は7000人位で
今はその2倍ですが、全く規制はありません。昨年、ピニェラ政府のコロナ対策を強く批判していたのは医師協会の会長をしていたシチェスでした。彼女は今内務大臣をしていますが、コロナ患者が急増しても黙っています。つまり昨年は右の政府を攻撃するためコロナを利用していたのか、今は他の事が忙しいのでコロナの件は忘れているかのどちらかでしょう。
逆に政府は2年間続けて禁止されていた9月の建国祭りをオヒギンス公園で派手に実施しようとしています。お祭りの前日の平日の9月16日を祝日にしてお祭り騒ぎを拡大しようとしています。
日本も世界最大の新規感染者数が出ていますが、全く規制はしていないようですね。ところで明日の月曜日はカトリックの祝日で3連休になりますが、20万台の車が首都圏から郊外に出て行ったらしい。今日までに交通事故は350件起こり、5名の死亡者とか。
3)大穴
チリ北部のコピアポ近くの黄色の大地と呼ばれる地区で土地が陥落し大きな丸い穴が開きました。直径250メートルと言われる巨大な穴です。まだ理由ははっきりしていませんが、近くに大小の二つの鉱山があるので、それに関連しているかもしれません。穴に近接した小さい方のマインは操業を停止したとか。仕事の関係で、その大きい方の鉱山には年に何回か訪問していましたから、その地区の事は良く頭に入っています。その地区の近くには砂漠がありますが、今年は雨が多かったので、しばらくすると砂漠のお花畑が出来そうです。不思議ですよ。茶色に乾いた砂漠が突然色とりどりの花が咲きだすなんて。
「政治」
1)ボリッチ動向
南部のニュブレとマウレ州を汽車で訪問しました。鉄道の充実を図るとしました。今までの大統領も同じことを言いましたが誰も出来ませんでした。犯罪の抑制を図り、市民の安全を確保したいとコメントしました。具体的に何か出来るのでしょうか。
2)新憲法
投票日が近づいていますが、全く盛り上がりません。今日の新聞に9月5日と言う特集記事が大きく掲載されました。それは9月4日の投票の次にの日と言うことです。賛否の結果で社会がどう動くかの予想です。しかし新聞に投票はノーが望ましい。その方がチリの歩く道を良くするとされました。新憲法委員会は国民の大多数の支持を得られる新憲法を作成する機会を失ったとされました。新憲法委員会のメンバーに責任があるとするわけです。
さてモネダ宮殿の前を歩いたら、新憲法の本が無料で配布されていました。一冊もらって持ってきましたが、内容を確認するのは大変な仕事です。9月4日の投票の日に45000人の警官が2700か所の投票所を警備するとか。犯罪グループが投票所を襲うと言うのは想像できませんが、投票の結果が、否決となれば共産党・新左翼などの賛成派が道路に出て警官と対決することはありそうです。
3)国会議員
78名を選抜して麻薬テストを実施します。もし陽性が出ればその議員はどうするのかな?辞任ですか。
「経済」
1)新税制
マルセル大蔵大臣は新法案を発表しました。所得税やマインのローヤルティ税とかですが、そのローヤルティは現行の39%を40%に上げるだけで、噂されていた50%を
越えることはなかったので経営者陣はほっと一安心とか。まだ動きがあるかもしれませんが。
2)銅価格と為替
1ポンド当たり3.65ドルと先週と同じ。にも拘らずペソは対ドルで940ペソと大きく落ち込みました。新聞にインフレ、国の財務・国債などの情況が影響したとされました。しかし1週間前とほとんど数字は変わっていないのに急にペソ安になるのは何か他の理由があるのでしょうね。
「一般」
1)マプチェ問題
先週1カ所で13台の車が放火されたと書きましたが、今週はそれが16台になりました。トラック・重機などの合計です。つまりマプチェ問題は継続ではなく拡大と言うことになります。しかしいつも同じことを書きますがd、それだけの大規模集団が行動しているのにどうして警察・陸軍はそれを察知・抑制が出来ないのでしょうか。特別州として軍隊を派遣する地区に新しくリオス州を入れるはずでしたが、政府はそれを取り消しました。その件に関し社会党の党首がモネダ宮殿で内務大臣と面談し話し合ったとか。もちろん、社会党はどうして市民の安全を約束する方針を取らないのかとクレームしたのでしょうね。内務大臣はニッコリ笑って市民の安全は私たちの目標ですと回答したはず。何それ?そのリオス州で暴行事件が大きくなっています。
マプチェの過激組織CAMのリーダーが木材盗伐に関し、「ここは私たちの領土です。盗伐ではなく自分たちの森林を自分たちが運用しています」与野党ともに困惑・憤りです。もちろんチリが独立した時、その地方はチリの領土でなく、その後、チリがかってにそこへ入り込み、マプチェを殺して自分たちの領土にした事は歴史上の事実です。北海道はアイヌの領土だったと言う感じです。新憲法では先住民の権利が書かれていますが、複数国家としてもそれを運営するのは不可能でしょうね。
2)コロナ問題
今週の新規患者数は先週よりかなり少なくなっています。と書くと収まって来たのかと思われますが、陽性率は先週と同じ15%ほどで、数字が下がったのはPCR検査数が減少したからです。さてボリッチは市民の行動を抑える規制は全くしていません。今まで2年間無かった大型コンサートがどんどん始まりそうです。ただそのコンサートの参加者数を
抑えると言うコメントが出ています。何万人も入場させないでそれを少なくすると言うことですね。厚生大臣は室内なら75%、屋外なら収容人数の85%をマックスにするとしました。それが急に出たので、コンサートの入場券を買った人に影響が出そうです。払い戻しではすみませんね。
逆にプロサッカーの試合の入場者数が少なすぎるのでもうすこし増やしてほしいと言う依頼が出ました。この先、コンサート同じように観客数が大きく増えそうです。そんな簡単なことを最後の段階で変更すると言うのは新厚生大臣のレベルの低さを感じさせます。
生活の通常化とコロナ抑制の動きのバランスを捜すわけです。ボリッチとピニェラの考え方は大きく違いますね。どっちが良いのかな?
3)不法建築
不法建設と言うと公共の土地に掘っ立て小屋を建てると言う感じですが、今週、北部のアントファガスタで起きた事件はかなり違います。不法建築VIPかな。それは2階建ての豪華な住居でした。同市の市長が警察の手を借りて、重機を持ち込み、その建物を崩壊しました。それがなんとその不法建築物は社会党関係者が建てていたとか。多分、国・州の誰かとコンタクトして許可を取った(黙って見過ごす約束)のでしょうか。いつも思いますが、政治家は右も左もせこいですね。その社会党関係者を裁判にしてほしい。
4)犯罪の増加
中央市場はサンティアゴの観光場所としてほとんどの観光客が訪ねるところです私もガイドとしてその中のレストランで頻繁に食事しました。ところがコロナ問題で外人観光客は無くなり、その地区の治安が急速に悪化してチリ人客も遠のくと市場の多くの店が店を閉めています。オーナーにすればどうすればまた元に戻るのかと歯ぎしりでしょうね。
チリの悲しい実態です。
5)ラジオ放送
今週はチリでラジオの放送が始まって100年記念の週でした。その番組の中で特に注目される番組として1973年の軍事革命は起きたとき、アジェンデ大統領がラジオの番組で、「これが私が皆さんに送る最後のメッセージです」としたこととか。確かにショックな放送ですね。
「政治」
1)ボリッチ動向
40時間労働
これが今週の話題かと思いましたが、違いました。ほとんど盛り上がりません。国会で認められれば、週40時間労働が段階的に適応されることになる由。
大穴チェック
先日から問題になっている大穴を見るためボリッチは北部アタカマ第3州のコピアポに飛びました。その穴の近くで、彼は市民の安全を守るのは政府の仕事だが、それを同地区の鉱山会社も共同して問題解決に当たってほしいとしました。その後、同地区に建設する貧民層援助のための160の家屋の建設を見ました。私の任期中に全国でこうした家屋建設を26万戸を目標にするとしています。
初の入れ替え
社会促進省の次官サンティアが更迭されました。ボリッチ政権で最初の入れ替えになります。その理由が良く分かりませんが、彼女はマプチェのCAMのジャイツルと連絡を取っていたと言われます。政府がテロリストグループと見るCAMと政府高官が連絡を取るのは不可解ですが、テロ行為は止めてほしいと言っていたのでしょうか、それとも警察がどこどこを調べていると教えていたのでしょうか?そのニュースが出てすぐ後に、その人の上司、つまり大臣が辞任しました。彼女もジャイツルとコンタクトを取っていたのです。警察はもう2年半も彼を警戒し、彼の 電話を盗聴していたわけです。ボリッチは私は誰にもそんな行為を取れと指示したことはないとしています。今回辞任した大臣は、先日、チリには政治犯が刑務所に入れられていると発言して問題になっています。大臣でも大統領の指示なく自分の考え方で動くわけですね。彼女の後任はまだ発表されていません。
しかし警察のそのやり方は正当なのか不正なのか問題になるかもしれません。数年前、ウラカン作戦と呼ばれたシステムで,そのジャイテルを逮捕しましたが、その基本が嘘だったのがバレて大問題になりました。また同じ?
2)新憲法投票
ノーが勝った場合、どう対応するか与党内で論議が続いています。もう市民調査では拒否するが勝つのは間違いないわけで、それは単なる心配事ではなく確実にノーが勝つのですから、何をどうするか予測でなく準備すべきですね。識者の意見でノーが勝った場合、敗因を政府に押し付けるグループが出てくるだろうとされています。なるほど。与党内分裂ですね。
新聞の論調で、新憲法が認められれば為替に大きな動きが出るだろうとされています。もちろん為替だけでなく、いろんな分野、例えば厚生年金AFPや民間健康保険イサプレなども壊滅的な事態が起きそうです。つまり社会の安定のためにはノーが勝つのが望ましいとか。
先日、市内観光のガイドをしたとき、歴史博物館に入るのに移動パスが必要でした。ところが来週の憲法投票にそれは不要と選挙管理委員会は発表しました。政治的問題を少なくするためでしょうね。厚生省は移動パス無しでも投票は大丈夫と言っています。本当ですか?
「経済」
1)銅価格と為替
1ポンド3.77ドルとこの1か月で最高の数字。為替は公式では1ドル910ペソでした。一般では892ペソ迄ドルは落ちています。銅の好調が少し戻って来たので、新聞にもう一つのチリの切り札リチウムの採掘販売に関し、政府の確固としたアイデアを発表すべきとされています。
関係ないですが、国連人権部門のトップのバチェレットは来月その職を辞任して、チリに戻って来るようです。ウイグル地区の人権問題に関し、彼女は国連としての公式見解を発表できるかどうかわからないとあいまいにしています。彼女はチリに戻ってきてもちろん政治に顔を出すでしょうが、その他に中国がリチウム関連でチリに進出するのを助けるのかな?
2)経済成長率
9月の第2週に中銀の公式発表がありますが、それに先立って予想される数字がもれました。それによるとインフレは収まらず12ー13%が予想され、成長率は今年は2.25%、来年はマイナス1.25-2.25%になりそうとか。厳しいですね。経済分析委員会の発表で今年の前半の資本の不正運用疑惑ケースは5400件で昨年より25%アップとか。やっぱり利益が出てくるとそれを隠そうとするのでしょうね。
「一般」
1)マプチェ問題
ジャイツル逮捕。今週の最大の話題です。
南部の特別区で警察・陸軍と対等に戦っているCAMですが,そのリーダーの彼が逮捕されました。すると同グループは抗議行動を起こし、首都と南部地区を結ぶ国道5号線があちこちで封鎖されました。チリ最大級のバス会社プルマンブスはその夜、同路線のバスの運営を止めました。そこに行っていた人から聞きましたが、もうホテル・レストランも閉めているところがほとんどとか。いつ放火されるか分かりませんからね。もちろん抗議行動は各地で起きています。
新しいニュースは盗まれた木材を運んでいたトラックが見つかって、それに乗っていた2名が逮捕されました。彼らを調べれば組織の内容・やり方が全部明らかになりますね。
ボリッチは当初、マプチェ問題を軍隊を使って力で抑えるのではなく、関係を会話で進めるとしましたが、それが大きく変わって陸軍使用にしました。つまり政策の変化ですが、それが政府内で一致していないことが分かってきたわけです。
2)コロナ問題
最近同じような数字が継続しています。それでも今週は1万人には行かず9千人まででした。また陽性率は平均が15%から11ー12%と少し下がっています。もう政府もマスコミも一般市民もこの問題を大きく取り上げることはしていません。もうすぐ建国記念のお祭りですが、国中でごった返すような場所が溢れるでしょう。フアン・フエルナンデス島に今日33名の感染者が出ています。昨日から1日で14名増えました。油断するとそういう事態になるわけですね。その島はロビンソン・クルーソー島と言われることもあります。