2006年/米国/監督:メル・ギブソン
原題:Apocalypto/カラー/138分
配給:東宝東和/公式サイト:http://apocalypto.jp/
こういった古代歴史物映画は、とかく製作者・監督の属する社会
(Ex.現代西欧社会)の見方や価値観、それに面白くするための
加工や誇張などが入る場合が少なくありません。はたしてこの
珍しいマヤ文明映画が、どこまで史実を再現しているか? 曲げて
いるか? も興味深いですね。(この映画は、リチャード・ハンセ
ン博士なる考古学者をコンサルタントに招き、綿密に打ち合わせ
たといっています。)
ともあれ、さっそく見て来ました。撮影はメキシコの熱帯雨林
地域で行ったようですが、主人公はじめかなりは北米ネイティブ、すなわち“インディオ”ではなく“インディアン”で、主人公の妻やマヤ族の兵士の何人かがメキシコ人、そして村の語り部やマヤ神官がマヤ系という俳優陣です。しかし、監督のこだわりで全編マヤ語(の何族の言葉か判りませんが)というユニークな
創り方です。
題名の“Apocalypto”は、ギリシャ語で「新たな時代」を意味し、マヤ族の生け贄を求める襲撃で壊滅した部族の生き残りが、妻子と村の再建に取りかかろうとすることと、最後のシーンでのスペイン征服者の到来によるマヤ社会の前途を暗示しています。
しかしながら、アステカの大量生贄はつと知られていますが、
マヤも生贄儀礼の習慣はあったとはいえ、この映画にあるほど
大規模な生贄を行っていたか? は要確認と思いました。
(世界的に話題を呼んだ前作「パッション」と同様、メル・ギブ
ソン監督はちょっと残酷なストーリーの映画ゆえ、あまり心臓
の弱い人にはお薦めしません。)