ブラジルで物流事業立ち上げのため6年間駐在した著者による、ブラジル社会、経済、企業、政治・法律、文化、生活の6章78項目の多岐にわたる解説に、イラストが付けられている。
それぞれの章は、最近のブラジルの実情を知る上で興味深い項目ばかりだが、例えば「企業」では世界で活躍するブラジル企業を、鉱業コングロマリットのリオドセ、石油公社ペトロブラス、中型ジェット旅客機のエンブラエール、食品のサジア、化粧品のナチュラ、菓子のガロートの紹介とともに、「生活」では日常の具体的なセキュリティ対策を解説するなどを示唆に富んでいる。漫画はなくてもよく、その分もっと図表を入れて欲しかったが、「マンガでわかる」という軽薄なタイトルにもかかわらず、内容はきちんとしたブラジル入門書になっている。[桜井 敏浩]
(明日香出版社189頁2006年5月1500円+税)