アンデスを歩き続けたいと写真を学び、1973年以来撮影のためアンデスの山間各地を訪れている著者の35年にわたる体験を平易に綴っている。スペイン語も判らず、土地勘も皆無の状況で、所要時間も適切な行き方も見当が付かないまま、手探りで入っていった初期の旅、旅の日記として撮影記録として、スケッチや地図、表などを入れて、アンデスに住む人たちの生活や習慣、自然環境などを詳細にノートに書き留め、山奥の村人の家に泊めてもらう、野山ではアンデスの民の農牧作業を間近に見ながら、厳しい自然環境との共存の知恵と慣習を知る、あちこちに点在する古代文明の遺跡、各地の祭りを訪れ、6000メートル級の高峰からアンデス高原、アマゾン河源流の亜熱帯に至る多彩な自然と豊富な植物などを、多くの美しいカラー写真とともに紹介している。
(岩波書店ジュニア新書196頁2008年1月980円+税)