連載エッセイ243:ピーター藤尾「チリの風」その14 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ243:ピーター藤尾「チリの風」その14


連載エッセイ240

「チリの風」その14

執筆者:ピーター藤尾(在チリ・サンティアゴ)

「2023年5月1日~5月7日」

「政治」

1)ボリッチ動向

大統領府の発表するボリッチの動向がほとんどありません。それどころか、テレビ局の番組でインタビューに答えない大統領という話題が出ました。3週間ほど彼は記者に質問されても返事しません。新憲法委員会問題と北部の不法移民問題が苦手なようで、担当の大臣が対応するようになっているとか。内閣府の考えで大統領が間の抜けた答えをしないようにしているのでしょうか。

それでもメーデーの5月1日はちゃんと「政府は労働者の皆さんに大きなプレゼントをしました。私が大統領になってから最低賃金を上げ、40時間労働制を成立させました」と労働者に喜びの声を届けました。週末は故郷のプンタアレナスに投票に行きました。もちろん住所を変えてサンティアゴでも投票できますが、彼の場合はわざと変更しないで選挙のたびにパタゴニアに戻るのですね。そこの公園で子供の遊ぶ丸い筒の滑り台に乗ったら、抜け出せなくなって少し壊れました。その市長は「大統領にこの町に来てもらえるのは喜びです、壊れたところは月曜日に治します」とコメント。以前も似たようなことがありました。彼は自分は大統領だという認識がないのでしょうね。

2)新憲法委員会選挙

今朝6時から全テレビ局はこのニュースばかりです。週末の新聞もそうでした。この選挙の結果がボリッチ政権にどんな影響を与えるかが主なテーマでした。大統領府は選挙の結果に動かされず、今までの政策を継続するとしています。この選挙の結果がチリ経済界にどう影響するかと経営陣のメンバーが論調を発表していました。

さてその結果ですが、意外でした、私の予想は外れ、共和党が36%の票を集め圧倒的に1位でした。そこは先の大統領選挙に出たカストが作った党です。数字は9時の段階なので少しは変わるかもしれませんが大筋では同じでしょう。2位は共産党・新左翼グループで28%、3位は従来の右翼グループで21%。旧左翼はわずか9%と沈んでいます。そのほかのグループもあります。

新憲法委員会の最終結論は過半数ではなく5分の3(60%)の投票がいりますが、野党側の合計はそれを超えると言われます。共和党は新憲法はいらないと言う声ですから、もしかすると今回の委員会は旧憲法をキープしようと決定し、国民の声を聴くことになるかもしれません。さぁどうなるかな。

「経済」

1)銅価格と為替

1ポンド当たり3.85ドルと先週より低め。為替も1ドル797ペソと先週とあまり変わらずでした。

2)GDP

3月のGDPは前年対比2.1%のマイナスになりました。今年はマイナス成長という予想の通りですね。チリ建築協会の推定では今年の建物の建築は前年よりボリュームが下がりそうとか。

3)新車の販売

4月の新車販売は19521台と対前年48%ダウンでした。半分ですね。その数字は2020年8月以来の最低の数字でした。なんでも9か月連続に下がっているとか。その悪いニュースのほかに、今年の1-4月の販売数110919台の中でブランド別ではトヨタが1位の8588台。5位が三菱、7位が鈴木、8位がニッサンとか。日本以外からくるのでしょうが日本ブランドはチリで活躍してます。

それとは違いますが、実質賃金が17か月ぶりにプラスになりました。給料の上昇より物価の上昇が大きいと言うのが16か月継続したのですが、先月やっと実質賃金が、ほんのわずかですが、物価上昇を上回りました。このままそれが続くかな?

「一般」

1)犯罪

もう毎週同じですね。なんでも首都圏で犯罪にあった商店は何と60%にもなるとか。泥棒が来ない店の方が珍しいのですね。

今週、リベルタドール・カップのコロコロ対ボカジュニアー(アルゼンチン)の試合があり、0対2でコロコロが負けました。これはスポーツの話題ではありません。その試合の後にコロコロのダイレクターが何もなくて良かったとコメントしました。普通なら、どうしてこんな大事な試合に負けるんだと噛みつくはずですが・・・ファンが暴れず、試合は正常に終わったので、次のカップ戦も自分たちのサッカー場が正常に使えます。自分たちのファンが暴れてスキャンダルになれば次の試合は観客なしになりますからその場合は収入が激減です。何だかチームが勝つ負けるより収入の問題の方が大きそう???

ところでペルーとの国境に停滞している移民のグループですが、そのうち115人のベネスエラ人は今朝、ベネスエラ政府の用意した飛行機で帰国の途につきました。以前は入国が話題だったのに今回は出国が話題になっています。1992年の調査では国民の1%が移民でした。それが2010年に2%になり、そして2015年には4%、さらに現在は8%と倍々ゲームになっています。

2)コロナ問題

もう毎日の感染者数が100人ほど、陽性率は1.5%ほどで動きません。投票所に行ってもマスクの着用は無いし、用紙に書くボールペンも以前は各自が家から持っていきましたが、今回は係員から共有ペンを渡してもらいました。つまり、もうチリではコロナ問題は終焉ですね。 それが大きく変わらなければ来週からこの項目は無くなります。以 上

「2023年5月8日~5月14日」

「政治」

1)ボリッチ動向

先週、プンタアレナスで投票を済ませサンティアゴに戻ってきたボリッチは記者団を前に「結果を真摯に受け止める。しかし現在の政府方針を変更するつもりはない」とコメント。記者団から質問が出始めるとさっさと退陣して後は大統領府の長官に任せました。先週のチリの風に書いた通りですね。惨敗ともいえる選挙の結果をどう判断するか、それをどう生かすかについて与党内の会議が繰り返されました。ボリッチはいつもと同じように与党内の結束を訴えています。それから最低賃金を50万ペソにする(来年度からですが)と鉱山のローヤリティ税を下げるアイデアを出しています。

2)新憲法委員会

各グループの結果より興味を引いたのは白紙投票・無効投票の数で何と合計250万枚を超えました。投票総数1250万人の20%を超えています。つまり「俺は投票したくはないのだが義務制度なのでここに来た。俺にとっても君たちにとっても時間の無駄だぜ」と言っているのでしょう。義務制を外したら投票率は激減でしょうね。どっちが正しいのかな? それから今まで民政化してから大統領を出し、チリの政治を担ってきた中道左派のキリスト教民主党とPPD党が一人も当選しませんでした。両党ともに大統領を出しています。壊滅的な打撃ですが、両方とも ボリッチと離れ、野党になろうかと検討しているとか。それは今まで私たちを支援してきた人にとって共産党・新左翼は受け入れがたいと考えているかもしれないと考えるからです。 さて50人の委員の内訳は野党側が33名(共和党が22名、その他の中道右派が11人)与党側は17名(そのうち共産党はわずか2名)その他に先住民代表が一人選ばれました。新委員会が始まる前から、前回と同じ失敗になりそうな雰囲気です。

3)イサプレ

大崩壊の兆しです。最高裁がイサプレ民間の健康保険会社に14億ドルの払い戻しを命じましたが、それを即時払う力はなく、無理強いすると一部の若しくは多くの会社が倒産すると言われます。それならその支払いを何年でやらせるかが次の課題でしょうね。これはボリッチ政権の失敗ではなく、それ以前のすべての政権が適切な処置をしてこなかった累積です。なんでもイサプレ加盟者一人当たり平均100万ペソも支払うことになると言われます。

「経済」

1)銅価格と為替

銅の価格は1ポンド3.74ドルと大きく下がりました。にもかかわらず為替は1ドル785ペソとペソが強くなっています。中銀が公定歩合11.25%を引き下げないで高めに据え置いたのが為替レートでチリペソが強くなった原因かもしれません。銅の価格は将来も大きくは下がらないと先日、プロの人の確認がありましたが、かなり下がっています。

2)IPC物価上昇率

4月は0.3%の上昇。これは過去12か月では9.9%、今年の1-4月合計は2.1%で、落ち着いてきているのが分かります。このまま継続するかな?ガソリン価格が今週大きく50ペソも下がりました。

3)株式市場

選挙の終わった翌日、月曜日市場の動きはプラスが目立ちました。なんでも2.3%の上昇で5608ポイントと昨年9月以来の高い数字になりました。共和党が勝つのは喜べる。新左翼・共産党が勝っていれば、ここから逃げなければと思うのでしょうか。

「一般」

1)大気汚染

古いエンジンの車はサンティアゴでは週に一度走行禁止になります。例えば月曜日はナンバープレートの末尾の数字が2と3の車です。これは8月31日まで続きます。これは通常の日で非常事態になればさらに厳しい規制が出ます。

2)犯罪

マプチェの事件は一向に縮小しません。今週2日間で9件もの襲撃事件が起き、9名の負傷者と多数の被害を出しています。同地区に特別法案として軍隊の駐屯を認めていますが、それが1年を経過しました。しかしマプチェの攻撃は一向に収まりません。じゃ軍隊の意味はないのと思われますが、統計では同地区の犯罪はそれ以前に比較して30%減少していると報告されています。

ピノチェット軍事政権のころはこうしたマプチェの反政府運動はほとんどなかったわけで、今も軍隊が出て同じような状況なのにどうして問題がおさまらないのかと考えましょう。軍隊(武器)は同じでも問題に対する軍の姿勢は大きく異なりますね。軍事政権時なら兵隊はマプチェでもそれ以外の人間でも、違法行為をするなら射殺することもいとわないとしていました。今は法律に則って犯罪を抑えると言うわけですね。どっちが良いとは言えないでしょうが。それからアンゴルの刑務所で囚人のマプチェに刑務官が捕虜になって大騒ぎになりました。その刑務所を調べれば、マプチェは刑務所内で自分たちの家のように家具などを持ち込み好きなような生活を楽しんでいました。刑務官がそれを取り調べる・取り押さえことが出来ないのですね。殺すぞと脅さるのかな?

3)山火事

サンティアゴより北のサパジャール地区で山火事があり350ヘクタールが延焼中です。

もう夏が終わったので山火事は消えたと思いましたが、まだそうではなかったようです。かなり派手に燃え上がっています。ヘリコプターで空中から散水しています。以  上

「2023年5月15日~5月21日」

「政治」

1)ボリッチ動向

今日5月21日はイキケ海戦の祝日です。ボリッチはそのイキケに行って、海軍の行事に参加しました。太平洋戦争の時、イキケの沖でチリの駆逐艦エスメラルダが敵艦に攻撃され、艦長のアルツーロ・プラットは敵艦に乗り込み殺されました。それでチリ海軍のシンボルになったわけです。私はチリ人の考えとは違って、彼でなく同僚のほかの艦長がこの戦いの英雄だと思いますが、いつかそのうち報告します。

5月7日の新憲法委員会の選挙で、与党側は敗北を喫しましたが、ボリッチの基盤の新左翼は、ボリッチは今までの中道左派の路線を歩み、彼の基礎の新左翼の考えを疎んじていると批判しています。新委員の活動が始まりました。さぁどんな結論が出るのでしょう。国会で野党が内務大臣を糾弾する動きがありましたが、問題にはなりませんでした。ピニェラの時に左翼がしていた嫌がらせと同じですね。

養育費問題

裁判所で出された判決を守らない人が多くいるわけですが、それをどうして正常化するか新しい法律が出来ました。その未払の親の持つ資本を(例えば厚生年金の積立金)その支払いのため引き下ろすのを認めるとか。

ボリッチは長い期間がかかったがこうして正義の道を進むのは素晴らしい喜びだとしました。なんでも養育費未払で訴えられている人はサッカーの試合を見に行けないことになるとか。チリサッカー連盟の会長パブロ・ミラドは「この政府はレベルが低い。子供にプレゼントするお菓子について論議しているようだ」とコメントしました。もっともその後で、私のコメントも内容が低いと自己批判?

イサプレ民間健康保険

ボリッチは好きであれ嫌いであれ最高裁がイサプレの会社に支払いを命じたことは実施されるべきだとしました。この9月にそれが実施されると一部若しくは大半の会社が倒産する可能性があるとか。同連盟会長はシステム自体が終了するかもしれないとコメントしています。もちろんそのシステムが崩壊すれば、国営フォナサを使っていないチリ人、つまり過半数は健康保険から外れます。また病院・診療所などの倒産の可能性もあるとか。ということは大量の失業者が町に溢れますね。モネダ宮殿の内閣府長官は「イサプレは判決をどのようにして実行するかという話をせず、この判決では自分たちは消えていくと否定的なコメントしかしない」と批判しています。

軍隊

内部の問題ですが、組織の中で汚職関連など不正な行動が確認されています。もちろん軍部のトップが怪しい行動をしたことは過去にもありました。是非をはっきりさせてほしいですね。海軍兵士がイキケの道路上で人を殴り殺したと逮捕されました。そして軍から追放されましたが、殺人罪としてどんな裁判になるのでしょう。殺人の理由がよく分かりませんが、現役軍人が殺人をするなんて不可解です。

報道の自由 

今回発表された報道の自由度でチリは世界180か国の中で83位の低迷でした。私はチリで起きている情報をテレビ・新聞そしてユーチューブから入手していますが。報道の自由度は高いと感じます。プロの見る目と素人の私の眼はそれほど大きく異なるのですね。

アジェンデとキューバのカストロが話し合った様子をユーチューブで見ました。銅鉱山の国営化がされた後でしたが、アジェンデはマスコミがその国営化に反対して自分を批判するとクレームしていました。それは報道の自由があるのでしょうか無いのでしょうか?ニクソンがキッシンジャーにアジェンデを潰せと命令し、チリの新聞社に金を渡して反アジェンデの記事を書かせよとしたのは本当なのでしょうか。

「経済」

1)銅価格と為替

1ポンド3.73ドルと先週より低い数字にとどまっています。しかし為替ではチリペソは1ドル799ペソと良いレベルです。銅の場合、民間の企業と同じくコデルコ銅公社が操業していますが、年内にリチウム関連の国営企業を立ち上げるとか。大蔵省は経済を活発にするための資本として銅鉱山のローヤリティ税を考えていますが、それにリチウムも関与してくるわけですね。なんでもチリ国内の302の市役所(町役場)がそのローヤルティ税の恩恵を受けられるとか。その合計の予想は1.7億ドルです。

2)建設業界

財政改善のため、建設業界の援助をボリッチは約束しました。建物を建てて、それを販売する分野はチリ経済に大きな影響力を持っていますからね。

「一般」

1)マプチェ問題

軍隊をアラウカニア地区に駐在させる法案が発効して、もう1年たちました。しかし今週も今までと同じく、同地区で放火事件が続出です。1年で400件近いと言われますから、毎日事件が起きているわけですね。反政府運動は趣味でやっているのではないですから、そのグループの生活費を出すため、組織は資金が必要です。それを麻薬でやっていると言われますが、その問題をマプチェ問題とは独立させて麻薬の販売は認められないとする観点から、その組織を洗い出すのは正当でしょうね。マプチェとは関係ないですが、道路の安全通行を図る警察・役所の動きで多数の自動車が検閲され、驚くほどの高い違反者が見つかりました。つまり今まで規制が上手く実行されていなかったと言うことですね。

さてチリ人グループがアメリカで窃盗などの犯罪を繰り返していると言われますが、駐チリのアメリカ大使はチリへの特別ビザ方針を変えるつもりはないとしています。

2)旅行

4月のサンティアゴ空港の利用者は前年対比27%アップで、コロナ問題の前の最も高い数字にあと10%まで接近とか。今年中にコロナ問題以前まで戻るでしょうね。

以  上

「2023年5月22日~5月28日」

「政治」

1)ボリッチ動向

5月21日の海軍記念日のお祝いの集まりに、イキケの場合、市民も毎年参加していましたが、今年は大統領が来たのでボリッチの安全のため、市民は遠くからしか見ることができませんでした。すると市民からボリッチをやじる声がたくさん出ました。毎年、大統領はイキケではなくバルパライソの海軍本部の前の集会に参加しています。

さて政府与党内で混乱が大きくなってきました。内務大臣のトアを与党グループPPD党の副党首が批判しました。その党は今まで中道左派が何回も政権を持った時の中心メンバーの党です。内部分裂がはっきりしてくるとボリッチはいつもの通り与党グループの団結を訴えます。ところでそのPPD党は来年の選挙で与党グループは全体を通して一つの候補者リストを作ろうと呼びかけました。中道左派グループと新左翼・共産党が手を組めるのでしょうか?右翼党UDIのコロマがそのトアと安全対策に関して議論しましたが、犯罪を抑えるというのは右でも左の政権でも市民の生活を守るという意味で大事ですが、それが政治論争になるわけです。

それから政府が国営企業ENAPが売っているLPガスの値段に援助を出しているのが問題になっています。政府が価格の大半を支え、その恩恵を一部の地区の人が享受します。つまりその地区の人は大きく下がった値段で購入できます。それはおかしいと野党がクレームするとトア内務大臣は実験をしてそれがどう動くか確かめるわけだと軽く回答。しかしそんな簡単な論理を実験しなければ結果を考えられないなんておかしいですね。一部で安売りするのはダンピング罪になるかもしれませんね。

それなら援助として出している額はそのままにして、対象を全国にすれば、一本当たりの援助は大きく下がりますが、問題が少なくなるのではと思います。右翼は国会に担当大臣を呼んでこのおかしな政策の説明をさせるようです。

新憲法委員会

連日いろんな問題での議論がされているようです。前回と同じ失敗をしない為にはどうすればよいのか考えているのでしょうか?新聞には今回の委員選挙で大勝利を収めた共和党グループの話題が常に出ます。

民間健康保険イサプレ

毎日のようにマスコミで報道されます。イサプレがつぶれれば一般市民だけでなく病院関係にも大きな影響が出ます。大手病院のアレマナ病院は収入の90%がそのイサプレから入るので投資として病院改築する案を延ばし、銀行と借り入れについて話し始めたとか。ボリッチは問題解決に手を出さないで時間の立つのを見守っているという雰囲気です。

ボリッチがリーダーシップをとってこうした社会・経済問題の解決に当たっているとの印象はありませんが、それをマスコミが批判しているという雰囲気もありません。自然のままにでしょうか。それでも国が機能するなら良いですが、9月の軍事革命50周年記念のころには社会騒乱がもう一度起きるかもしれませんよ???

「経済」

1)銅価格と為替

銅価格は1ポンド3.66ドルと下がりました。このため為替も1ドル802ペソとペソ安になっています。銅価格が毎週のように下がりますね。中国の経済成長率が予想されたものより低いことから鉱物(鉄鉱石や銅)の価格が下がっているらしい。チリのためには中国頑張れと言いたいところですが??リチウムに関し、コデルコ銅公社の社長と現在リチウムの採掘権を持つソキミチSQM社長が面談し、リチウムの将来について話し合いました。どうなるかな?

2)中銀の示唆

中銀が各銀行に資産の安定を図るよう指示を出しました。国際的に金融機関の不安定さが問題になっていますから、それを避けるため手持ちの資金を増やすように頼んでいるようです。もっともそれは経済の活性化には悪い影響をするとのコメントが出ていますが。

ラテンアメリカ諸国の中でチリの経済指数は平均より下です。経済政策と政治体制の安定さが不足していると指摘されています。もっともチリの株式市場は5642ポイントとやや下がりましたが、高いところにとどまっています。

「一般」

1)犯罪

アンゴル刑務所に入っているマプチェの囚人が刑務官を支配下にしていたことが問題になっています。俺たちの言うことを聞けと囚人が刑務官を脅していたのですね。マプチェ問題が全く解決に向かわないのと同じく、チリ全体で犯罪の増加が目立ちます。テレビのニュースの大半は泥棒・強盗です。今日もマイプとラス・コンデスのモールに強盗グループが入り警察と銃撃戦になりました。それからチリに8つの外国人の麻薬グループが存在するそうですが、 そのうち5つはベネスエラとか。それだけわかっているならちゃんとその組織をコントロールしてほしいですね。

2)文化財記念日

この週末に記念日が来たので、各地で主要な建物・組織が一般大衆にドアを開けました。私もそのシステムを利用して、昔ですが、モネダ宮殿や都庁事務所などに入ったことがあります。モネダ宮殿の場合、今年は内務大臣・大蔵大臣が入場者に自分たちが毎日使用している建物の案内をしました。

3)大気汚染問題

首都圏の隣のバルパライソ州でいろんな工場が並ぶ地区で大気汚染がひどく学校が休校になりました。そこは以前にも同じ問題がありました。問題は解決せず継続です。前回はピニェラの時で左翼側は政府を厳しく批判しましたが、今回は口をつぐんでいます???

首都圏の空気もかなり汚れているようで、(準)非常事態宣言が出る可能性もあるようです。

以   上