連載エッセイ246:山下日彬「世界の新型コロナウイルス感染情報提供を終えて」 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ246:山下日彬「世界の新型コロナウイルス感染情報提供を終えて」


連載エッセイ243

世界の新型コロナウイルス感染情報提供を終えて

執筆者:山下日彬(ヤコン代表、在リオ)

「WHO緊急事態終了を宣言」

WHOは5/5に新型コロナ緊急事態終了を宣言した。

「入国時のワクチン接種証明義務」

5/16現在、南米でペルー、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ベネズエラなどでは不要となったがブラジルとチリ、ボリビア、エクアドル、コロンビアはまだワクチン証明を必要としている。

「世界の最新コロナ情報を終えて」

2020年2/10に「少々恐ろしい話」のタイトルで、中国感染者40、628名だが大変なことになりそうだとグラフ付でレポートを始めた。一か月後の3/9には世界感染者数十一万人、中国80735人、三桁以上の感染者発生国が17か国に増加した。

このレポートを二年半も続けるとは思っていなかった。

「毎日の新規感染者数グラフ」

データ数が多くなると通常はきれいな正規分布になるものだ。発生数の一番多いある国の数字が加味されていないのと、あまりにも長期になったため性質の違う別種扱いをせねばならぬ変異株が重なって不規則になっていると思われる。

5/5のCOVID-19の世界累計感染数687、600、968人

「日の死亡者数グラフ」

正規分布にならないのは、発生数の一番多いある国の数字が加味されていないためと思われる。5/5のCOVID-19の世界死亡者数累計6、869、839人

「目の持病が悪化」

ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナウイルス感染状況は毎日GMTゼロ時に更新される。実際にはブラジル時間22時半から23時半ごろに更新される。それを待って日々の転記作業が二時間ぐらいかかるので、毎日小さい数字ばかり眺めて持病の「老齢黄斑変性」が悪化した。

「一番早いのは韓国」

他国より一日早く数字をUPする。検査数も多く、ワクチン接種数も多く統計も早い、まるで昔の日本人を見るようだ。念には念をいれ石橋をたたいて渡るのは日本の職人の伝統であった。この流れが韓国に今も残っていると思う。

「データにもラテン気質」

データを転記していて笑ったのは、イタリア、スペイン、フランスなどの先進国が中南米と同様に、過去の数字を一週間や十日分くらい平気で無断修正するのである。増加数が急に増えたときは過去の数字も見直さねばならなかった。医業事務員の気質の問題でラテン系だなとおかしかった。

「データに真面目な国」

一方英国、ドイツ、デンマーク、オランダ、スエーデン、カナダ、シンガポール、香港、台湾、インド、オーストラリアなどでは常に正確であった。

ロシア、ベネズエラ、アルゼンチン、キューバなどは政治に問題があっても医療従事者は極めて真面目な気質のようである。

「データが信用できない国」

最も数字が信用できないのは、政策上最初に結果ありきのC国で、20年2月に軍が武漢に入り2週間で、千人水準で級数的増加をしていた日の新規感染数が30人に減り収束宣言。また23年1/15には6万人もあった日の死亡者が2/11はゼロになり、三週間ゼロが継続したと2/28にコロナ終焉を宣言した。

「米州一斉に安定化」

南米の国別感染者数累計を見ると、21年末アフリカから始まったオミクロン株が12月に米国から始まり米州一斉に感染が起きた。対数グラフで見ると興味あることに感染初期はほぼ同じ増加率で、その後は国順位が変らないほど安定する。アジア諸国とはまったく異なる傾向である。

「実に奇妙なオミクロン株」

この株はアジア人種が好きらしい。欧米で感染が始まりアジアで急増。オーストラリア、日本、韓国、シンガポール、香港、中国、台湾と感染急増の波が移った。

「リオのワクチン接種風景」

近所の保健所で予約なしに3回目の接種を受けた。2人態勢で1人がCPFなどを書きとめ、もう1人は左手に消毒綿、右手に注射器を逆手に持ってポンと打つ、一瞬で注入完了「はい次!」。アルコール消毒もしないが肌に触れないから必要ないのか。接種証明書はインターネットで受け取れた。

「ファベラはコロナで壊滅せず」

リオのファベラの住民は壊滅するといわれていた、だがファベラの致死感染は比較的早期に収まりファベラは壊滅しなかった。ファベラは感染スピードが速く一早く集団免疫になり、高齢者率が低くさらに追加ワクチンを接種しない人が多かったのが幸いしたと見る人がいる。

「遺伝子製剤の害」

私は医者ではないから真偽のほどはわからないし発言の責任も取らぬが、オミクロン以後の変異株ワクチンは厳密にはワクチンではなくてmRNA遺伝子製剤で、変異株ができるたびに新しいのが製造され、一部はミトコンドリアに残り体中の免疫が失われる効果で他の持病が悪化するという情報もあるようだ。

「際限なく接種の罠」

親しい知人の娘さん(大人)が追加ワクチン接種後に意識不明になり、UTIに入り車いすで退院になる騒ぎがあったから他人ごとではない。今後変異株ができるたびに製造される新しい遺伝子製剤を際限なく接種続けるのは良くないだろうと素人目にも判断できる。

「失った免疫をどう回復」

今回のコロナウイルスもワクチンも当初から人の手が加わりすぎと思う。この機に一度終了して、たとえインフルエンザにかかっても我慢して自然耐性に戻した方がよいのではと感じる。以前UFRJで蚊の研究をしている日本人の教授がいると娘から聞いたことがある。リオの蚊に自然耐性効果はないものか。

「最重要統計は自動化するべき」

伝染病や環境汚染の日々の統計など、地球レベルで人類存続に影響を与える最重要事項を自国の利益のために改ざんする独裁国家を放置してよいはずがない。当然強力な国際機関が管理監督指導するべきであり、維持存続統計は最終的に自動化が理想的と思う。

「選挙管理も自動化するべき」

最近の世界的な人口増と不正選挙の増加傾向に注目し、もはや人手集計では無理だと思う。日本政府は国際法秩序と民主主義を最優先政策とするなら、まずは世界中で公正な選挙実施が必要不可欠となる。国際的な選挙管理システム構築、自動視察機開発、国連の監査員派遣制度をG7の場で提唱検討するべきだ。

「センサーは日本の出番」

選挙管理、伝染病や環境汚染計測を自動化するには、日本が得意とするセンサー技術の管理システムを世界標準にできる。これら統計用センサーのデータには暗証をかけ、いま接続できる世界のどのネット・プラットフォームに上げても、データ改ざんされたりしないで、国連に届くようにするとよい。

「IoT時代のデータ技術」

日本のセンサー・メーカーが世界を制す。ビッグデータは情報の整理収集ではなく、ただデータをインターネットでドンドン上げて保管しておくだけである。例えばある事態を把握するのに、一千項目のデータが必要とすると、一千個のセンサーで読み、それを圧縮し暗号化してインターネットで逐次送信する技術だ。

以   上