連載エッセイ249:新井賢一「南米コロンビア・雲と星が近い町 から」その13 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ249:新井賢一「南米コロンビア・雲と星が近い町 から」その13


連載エッセイ 246

南米コロンビア・雲と星が近い町から」その13

イベントから繋がるラテンアメリカ・コロンビアへの道

執筆者:新井 賢一(Andes Tours Colombia代表 ボゴタ在住)

このエッセイが公開される時には既にコロンビアで再び暮らしている事でしょう。

一年ぶりに一時帰国しました。コロンビアでの生活に大きな不満はないのですが、この歳になるとやはり祖国日本は素晴らしいと心底感じます。綺麗に整備された道路・高品質の品物が溢れるスーパー・電車やバスの快適さなど列挙すればきりがありません。その中で唯一気になっているのが行き交う方々の「マスク使用率」の高さです。

コロンビアでは既に入国に際してコロナワクチン接種証明書やPCR検査陰性証明書などの提示は不要となり、公共の場所でのマスク着用義務は撤廃されています。日本でも同様になりましたので今や観光地に溢れかえる外国人観光客の大半はマスク不着用ですが、日本の方々は電車・バス・スーパー店等あらゆる所で未だマスクを外す事に抵抗があるのか、見た限りでは80-90%程の確率でマスクを着用されています。これはコロンビアから帰って来た私には失礼ながら今や奇異にしか見えません。

前述の通り観光地に押しかけている外国人観光客は日本を自由に堪能されているのと相反して日本人の方々の海外渡航率・数が未だ伸び悩んでいるのはまだ根底にある「コロナウイルス感染恐怖症」があると推察します。

そんな最中ですが先日都内隅田公園で開催された「カリブ・ラテンアメリカストリート」というイベントに足を運びました。中南米カリブ諸国の食や音楽・手工芸品などを紹介・販売するもので、コロンビアから一時帰国中の私にとってもなかなか面白いと感じた為早くから関心を持っていました。この日は好天にも恵まれ想像以上の入場者で賑わっていました。

私はこの会場でジャマイカ名物ジャークチキン、アルゼンチン名物のチョリパンやマテ茶などを頂きました。その他にもメキシコ名物のテキーラやキューバ名物のモヒート・キューバ風サンドイッチ、焼肉など多数の品々が並び盛況でした。

ステージでは複数の国の音楽や踊りなども披露され、その場で踊る方々の姿もありました。特筆すべきはこの会場でのマスク着用率の低さでした。おそらくですがこの暑さと熱気・盛り上がりの中でもマスクを離さなかった方々は半分以下ではなかったかと思います。

現在公共の場所でのマスク着用は「任意」ですので個人の判断にゆだねられています。その中で少しずつではありますがマスクから解放されて以前の自由な生活を取り戻す意識を持ち始めた方々が増えてきたのは喜ばしい事です。

 このイベント、カリブ・ラテンアメリカストリートで私が着目したのはイベント自体の華やかさに加えて、来場者の方々から時折聞こえた「楽しいね、海外に行きたくなる」という声でした。未だ海外旅行へ出る人の数が伸び悩んでいる中、このようなイベントを通じて少しでも海外に行ってみようという意識が芽生えるのはとても良い機会ではないかと思っています。

この日の為に私個人アカウントのSNSサイト上でコロンビアが好き・コロンビアへ行っ
てみたいという方々との懇親の場を告知し、実際複数の方々とお会いする事が出来ました。私自身は以前にも表明していますが、SNS経由での情報発信は基本的に個人でコロンビアを訪れたいという方々を対象としており、インスタライブなどでの現地コロンビアの様子も個人向けにしています。

旅行会社に営業をしても結局そこから個人客の方々に観光地としてのコロンビアをどうPRするかは各旅行会社の裁量次第であり、それでは実際旅行される個人には上手く伝わらないのではと常々思っています。それが故に私は直接個人の方々にコロンビアの良さをPRしています。

そのような事もあり、今回のこのカリブ・ラテンアメリカストリートなどの屋外イベントはラテンアメリカ・コロンビアへ行ってみたいと思って頂ける絶好の機会であり、今後少しでも海外旅行へ行こうという機運が高まる事を願ってやみません。  以  上