日本貿易振興機構(JETRO)サンパウロ事務所勤務の後、本部中南米課でブラジルを担当するブラジル専門家による総合的なブラジルのマクロ経済、主要産業の成長の可能性と企業の動向、外交・通商政策の概要と、ビジネスアプローチに必要な税務・会計、労務、会社設立、ビザ取得、資金調達と送金、貿易システム、知的財産問題についての総合的な解説書。
2007年に発行された初版の後、ルーラ政権第2期の米国発金融危機を乗り越え、IMFへの資金拠出による「債権国」化し、世界的な資源価格上昇によって経済発展を順調なものとして、同じ与党のルセフ大統領に引き継ぐまでの経済の概況を前半で判りやすく解説しており、後半ではこの成長がまだ続くブラジル市場への参入に必要な実務知識を概説していて、この1冊でブラジル経済の基礎と実務に必要な知識が得られるよう、よく工夫された構成になっている。
(ジェトロ(日本貿易振興機構)2011年7月 208頁 1600円+税)
『ラテンアメリカ時報』2012年春号(No.1398)より