インカ帝国の全貌を考古学、歴史学、人類学、言語学、建築、美術史学、エスノヒストリー、生物考古学、織物等の分野に関する、日本と米国、ベルー等7か国籍をもっ研究者18名の研究に基づく解説書。
2012年3月から6月の聞に、東京の国立科学博物館で開催された『マチュヒチュ「発見J100年インカ 帝国展』の解説だが、単に企画展のカタログではない本格的な研究論集になっていて、DNA分析析による民 族の起源探し、国家体制とキープ(縄文字)も使っての支配の仕組み、祖先崇拝、帝国拡大の戦略、建築-美術-織物等伝統工芸の技術力、そして植民地期のインカ観など、インカ研究の最新かっ全体的な成果が分かり、アンデス文明に少しでも関心をもっ読者には優れた解説書になっている。
(東海大学出版会 2012年3月 438頁 3500 円+税)