著者は沖縄大学法経学部の教員を30年余勤め、その間比較法文明論をも研究してきたが、その研究を意識しながら行ったアフリカ、ブラジル、フィリピンの旅と現地の生活記。
ブラジルについてはうち77頁を当て、1984年に沖縄から移住した移民を曾祖父にもつ日系ブラジル人からポルトガル語を学び、大学を休職して85年5月にブラジルへ渡り、サンパウロから知人の住むテイシェイラ・デ・フレイタス(サルバドールとヴィトリアの中間にある町)のマモンの栽培農家の日系人達と付き合い、テイシェイラとサンパウロを拠点にサルバドール、ビザ更新のためにパラグアイのアスンシオン、ベレン、ブラジリア、レシーフェなどへ行き、年末に帰国するまでの日々の生活と旅の様子、交流した日系人とその周囲のブラジル人との人間関係を淡々と綴っている。
(学文社2013年10月204頁1000円+税)