執筆者:ピーター藤尾(在サンテイアゴ)
「2024年1月26日ー2月4日」
「政治」
1)ボリッチ動向
バケーションから戻ったボリッチはすぐに月曜日に南のチロエ島に飛びました。あちこち回って島民とコンタクトしました。3日間もその島に滞在です。現地の学校で、この校舎の増改築をして皆さんに喜んで勉強してもらいますとコメントしました。本土と島を結ぶチャカオの橋の工事がまだ完成しませんが、ボリッチにがんばってほしいものです。その島にある幾つもの教会が世界文化遺産になっていますが、建設されて百年をはるかに超えてしまうと一部で破損が起きています。その補修工事を始めてほしいと言うコメントがでています。ボリッチ頼むで。
さて、彼は現在三つの問題を持っています。まず増加していく犯罪をどのように抑えるかです。その他には二つの不正事件があります。政府の貧民家屋援助金を不正に抜き取った新左翼系グループを明確にして裁判にかける。最後は4年前の社会騒乱の時の負傷したデモ隊員に出している特別年金が不正に使用されていると言うものです。
まず犯罪を抑える件に関し、政府は与野党のすべてに犯罪削減委員会を設立しようと持ち掛けました。これは野党系の区長(市長)が政府は犯罪を抑える動きをしないとクレームしているからです。すでにあちこちから警察が犯罪を抑えきれないなら軍隊を使用すべきだとされています。ただ与党の共産党は意味もなく軍隊を政治的に使用するのはいかがなものかと党の体質をはっきりさせています。新聞にボリッチ案は左翼右翼の違いを超えた合意点が見込まれるから有効だとされています。どうなるでしょう。
新左翼の不正事件に関しては、ボリッチは裁判所に任せると自分の意見を出していませんが、もう一つの社会騒乱の特別年金では20数名の受給者に関し、年金受給資格はないとし、権利を取り消すようです。遅かったけど正常化ですね。ついでに何故それらの資格のない人に特別年金を出し始めたのかをはっきりさせれば、次回のエラーが防げると思います。もっともその社会騒乱が起こったのはピニェラの時代だから、特別年金の問題も彼の責任だと言う意見もあります。社会騒乱の問題ではなく特別年金の問題なのですが、左翼の中にはピニェラに責任を取らせようとするのでしょうか?
2)地方選挙
先週予想したのと同じことが起きています。共産党が社会党を批判しました。それは首都圏の共産党員のサンティアゴ区区長が再選を狙っているのに、社会党が自分たちの候補者を応援し始めたからです。社会党にすれば当然の権利ですが、共産党にすれば嫌がらせになります。もちろんもっと続きますね、これから。それには関係ないですが、元大統領のラゴスが引退を発表しました。元大統領の中でもかなりの重鎮で影響力も持っていました。疲れたと言うよりもう飽きたのでしょうね。彼がピノチェットをテレビカメラの前で批判したのは驚きました。殺されると思ったからです。しかしそのころと比べると同じチリでもわずかの間にイメージは大きく変わりました。ピノチェットの時代は自由・希望は無かったけど、犯罪もほとんどなかったですからね。
「経済」
1)経済成長率
中銀発表のイマセック指数は、昨年12月は予想より低いマイナス1%となり、2023年通算では0.2%のマイナス成長になりました。何とかプラスで終わらせたいと言われていましたが、残念、マイナス成長でした。
2)失業率
昨年の第4四半期の失業率は8.5%と前年同期より0.6%アップでした。まだ苦しい実情が改善されません。
3)銅価格と為替
銅価格は3.83ドルと先週とほぼ同じでした。ただ為替は1ドル928ペソとペソ安になっています。中銀の公定歩合の動きが関係しているのでしょうか。
「一般」
1)山火事
先週の予想どおりこの週末のテレビのニュースの中心は山火事でした。首都圏の隣のバルパライソ州は7か所で火事が起きました。家屋の火事も3千軒になり、その中で1300軒が全焼です。死亡者が百名も出ました。さらに行方不明が300人もいる由。明日になれば死者数が増えて行方不明の人が減少でしょうか?さてその火事の多くが放火と思われています。もう一人逮捕されたらしい。しかしこれだけの大火事の多くが放火とはなんと悲しい事実でしょう。同地区では夜間外出禁止令が出ました。昨日に続いて今日もですが、夕方6時からです。観光地のビーニャの海岸には多くの観光客が来ていて、6時になっても引き上げない人をそこを管理する海兵隊が注意をしていました。
それからオヒギンス州でも山火事が大変です。ラ・エストレジャで1540ヘクタールが燃えています。ナビダでも400ヘクタールとか。もちろんそれ以外の州でも山火事は出ています。ボリッチは「これだけの被害が出たのは2010年の大地震以来のことだ。被災者の援護を全力でしたい。」とコメントしました。
全然関係ありませんが、金曜日の夜にパソコンに向っていると部屋がかなり揺れました。地震の前兆でしょうか?
2)犯罪
週末の新聞の特集記事でラテンアメリカ諸国の犯罪の増加が書かれました。チリだけではないわけです。各国が問題を抱え、それを軽減しようとしているわけですが上手くコントロール出来ないわけです。中米で一番安定していると言われるコスタリカで昨年は10万人当たり17.2人の殺人があり、過去最悪の数字とか。
社会騒乱の時はボリッチのグループは警官を嫌っていましたが、今は警官の活躍を望み、更にそれで十分でなければ軍隊を出すことになりそうです。ボリッチが住んでいる家のそばでデモが起きました。その地区で犯罪が増加していると言うわけです。大統領の居住地区なら警察の警戒があるので犯罪は減少すると思われますが、現実は違うのですね。
以 上
「2024年2月5日ー2月11日」
「政治」
1)ボリッチ動向
バルパライソ州を訪問して山火事の悲惨な状況を助ける動きと、亡くなったピニェラを讃える動きが今週の中心でした。
山火事
まだ問題継続で、夜間外出禁止令が一部の地区で出ています。市街地区の火事はおさまっていますが、停電が続き被災市民の生活は厳しいです。一番問題の家屋の建設ですが、そのためには延焼した家屋の中のゴミを捨てる必要があります。政府の見込みでは廃材は5万トンになりそうで大きな機械を導入して実践に当たっています。その家族に政府から支援金が渡されることになりました。
ピニェラの事故
自分が別荘を持つ南部のランコ湖にバケーションに行ったピニェラ前大統領は家族・仲間3名とヘリに乗りましたが、操縦に失敗して湖に墜落。乗客全員は助かりましたが、彼は窒息死しました。事故の原因は調査中です。湖中に沈んだヘリは引き上げられ、今日サンティアゴに着きました。つまり操縦のミスなのか機械に問題があったのか調べられます。彼の死体はサンティアゴに運ばれ、先ず旧国会議事堂(近年は新憲法委員会の会場)に置かれ、一般市民の挨拶が認められました。そして金曜日に葬式が実施されました。その場で現・元大統領が、彼の功績を讃えました。
ボリッチが「社会騒乱の時、その時のピニェラ大統領を不必要にまた異常に攻撃したことは正常な行動ではなかった」と自己批判しました。共産党はすぐに何を余計なことをコメントしているのか、金持ちの好きなようにはさせないと固く誓ったではないかと批判しました。勿論ボリッチはその批判を考えましたが、それでも正論を吐いたわけです。共産党・新左翼に対抗して右翼的行動をする必要はありません。彼が自己批判したように4年前の社会騒乱の前はチリはラテンアメリカの中でトップクラスの社会組織を持っていたのです。それを目標に歩いていこうとするわけです。犯罪抑制委員会が動き出し、山火事被害援助が上手くいけば、ボリッチを支援する層が今の30%から50,60%になるかもしれません。頑張れボリッチとなるのですよ。
その後、近くのカトリックの大聖堂に運び込まれ、ミサが開始。大司教が彼を讃えました。その後、軍の護衛の下にモネダ宮殿へ。そこで、彼は2度大統領として、つまり8年間勤務したのですが、その日は大勢の観衆に見守られて宮殿に最後の挨拶をしました。現憲法を変更して3回目の大統領になりたいとしていたのですが、もちろんその日はモネダ宮殿の前だけで中には入れませんでした。ピニェラの遺体を彼が望んだモネダ宮殿を最後の通過点としたのはボリッチの考えでしょう。
しかし私が想像した以上にピニェラは民衆の拍手を受けました。彼の遺体を乗せた車が通る道に大勢の市民が彼の写真やチリ国旗をもって待ち受け、車が来ると手を振りました。彼の遺体は「思いで公園」と呼ばれる墓地に運ばれました。ボリッチ政権としては野党のシンボルのピニェラですが、民衆も政界も彼の冥福を祈りました。ピニェラが大統領選挙に出ていれば、もちろん与党側は批判をしていたのは間違いないですが、死亡した彼を傷つける必要はありませんからね。新聞の社説に、与野党がピニェラの死を悼む祈りを揃って実施したのはチリ社会が正常だと言う証拠になると書かれました。確かにそうですね。
右翼の中も分裂があり、ピニェラは国民改革党RNでしたが、中道右派でしたから、もっと右のUDI党からはしっかり右翼の政策をとれと批判されていました。今回はUDIもピニェラ賛美でした。さて次の選挙に右の候補に予想されていたのはピニェラとエベリン・マテイですが、ピニェラが消えたので彼女が最有力候補ですね。マテイは今はUDIですが、最初はRNでピニェラと組んで仕事をしていました。ピニェラは自分は右翼でないとして政治的にキリスト教民主党DCに接近したこともあるとか。もちろん次の選挙には極右の共和党からも候補者は出るでしょうね。日曜日の新聞に1面広告でRN党がピニェラの写真を載せ、一言だけ「すべてにありがとう」と書かれていました。
彼はラス・コンデス区に住み、選挙の投票所は私と同じところでした。私はいつも投票所に一番早く行くことにしていますが、ピニェラもそうです。昨年9月の時は、彼のそばに行って話しかけようとしましたが、彼は車に乗ってしまいました。12月の時は報道陣が待っていました。私は彼の着くのを待たず家に戻りましたが、10分後に彼は来たとか。
もし会っていれば、私は2度あなたに投票しました。3度目も同じように投票しますと言って握手するつもりだったのですが。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド3.67ドルと先週よりかなり下がりました。中国の動きがかなり行き詰っているので、この先もっと下がる可能性がありますね。
為替は、そのためペソ安になり1ドル969ペソです。1000ペソが近いといわれます。
2)経済成長率
財務省から今年のGDPは2.5%と予想数字が発表されました。事前の推定から下がったのはリチウム関連で、SQM社などからの国庫収入が10%以上、下がりそうとか。もっと下がる可能性があります。
3)物価上昇率IPC
1月のIPCは予想より上の0.7%でした。
確かに公共運送のバスや地下鉄の価格は上がりました。ガソリン価格も上がっています。
4)新車の販売
1月の新車の販売は25117台と前年対比9%のマイナスでした。
売り上げ順位で10位に日本から3社、首位はトヨタでした。
「一般」
1)犯罪
犯罪を抑える法案を作成する新組織が話題になっています。土曜日にニュニョア区で60歳の女性が強盗に遭い、逆らうと射殺されました。
こんな事故がこれからも毎日ありそうです。
2)山火事
今シーズンの山火事は今まで137か所で起き、そのうち103か所が消火されています。燃焼したのは16572ヘクタールとか。死者数は131人、負傷者は1108人。3000軒がまだ停電中。 以 上
「2024年2月12日ー2月18日」
「政治」
1)ボリッチ動向
バルパライソ州に行って被災者の援助を更に与えると演説しました。所で先週のピニェラの葬式で彼が自己批判したことを民主革命党など新左翼グループは厳しく咎めています。俺たちデモ隊をピニェラの指示で警察が攻撃したではないかとするわけです。共産党幹部はピニェラの事故を右翼は自分たちの都合の良いように利用しているだけだとしています。これに関し社会党の党首は同じ与党の中で政府に反対する意見を持つことはありうるが、最終段階では大統領に同行すべきだとしました。つまり左翼の中で中道左翼と新左翼・共産党に分裂してきたわけですね。
新聞の読者の投書で他のラテンアメリカ諸国は民主主義が感じられない政治(政府)が多いが、大統領が公式に自己批判するチリはその点立派なものだとされました。ボリッチが社会騒乱で国が乱れたことを反省し、それ以前に戻ることを目標に掲げれば、チリはまたラ米のトップに戻れるかもと思えます。
2)ピニェラ死去
まだ彼に関する記事が新聞に多く掲載されます。前アルゼンチン大統領のマクリがピニェラに関し「自由と民主主義を目標にした政権を作ろうと彼と話し合ったが、これからそのグループをセバスチャン・ピニェラグループと呼ぶことにしたい」とコメントしています。チリの文化賞を受けた歴史学者のセラノは「彼の業績はチリの歴史に大きく残るだろう。カトリックと自由主義の世界を統一した新方式を適合したのが素晴らしい」としました。
3)地方選挙
10月の地方選挙で共産党と新左翼が大きく減少する可能性がありますね。前ビタクラ区長が汚職で逮捕され裁判中に刑務所に入っていましたが、今週、刑務所から自宅監禁に変更されました。彼は区長の時代、RN党所属だった右翼ですが右翼も左翼も同じですね。
それより大事なのは次の大統領選挙です。右翼の国民改革党RNは次の選挙にピニェラを推すつもりでしたが、彼の死亡でその夢は消えました。すると候補者はプロビデンシア区長のUDIのマテイになりますが、RNはサンティアゴの他の区長を自党の候補者にするつもりとか。10月の選挙で予想はすっきりします。
2)最高裁判所の新車供与
最高裁判所の高官に貸与する22台の車を1台5700万ペソのレクサスにすると発表されましたが、あまりにも高いのではとクレームが出ました。多分、もう少し安い他の車にするでしょう。議会でどう承認されたのでしょう。
「経済」
1)銅の価格と為替
銅価格は1ポンド3.77ドルと先週より少し上がりました。昨年チリの銅生産は前年対比1.4%のマイナスでした。その中でもコデルコは8%のマイナスと不調が目立っています。ところで鉱物で昨年価格が上がったのは金と銅だけですが、今年も銅の価格は期待できると言われます。中国がそれほど安定しているのかな?為替は1ドル973ペソとペソ安が続いています。
2)投資
昨年チリから外国に去った投資額は社会騒乱以降で最少レベルになりました。その意味は4年前から大量に外国に避難していたのがそのレベルが下がってきたと言うことです。投資家の信頼が戻っていると言えますね。もっとも景気後退は変わらず、従業員数を減らしている企業がある由。
TPP11
チリの結果が発表されました。2023年は128億ドルの輸出で2022年に比べると8%の減少とか。3155品目の輸出品の中で果物。ワインが中心です。
「一般」
1)山火事
出火したのは151か所、延焼中は29か所とまだ収まっていません。南の第8、9州で山火事が民家に近づいているとか。まだバルパライソ州の一部の地区で夜間外出禁止令が発令されています。死亡者は133名です。もちろん復旧に向けて廃材の処理が進んでいます。チリ復興コンサートが行われ、多くの歌手・グループが参加しました。その収益はバルパライソ州の山火事被災者に贈られます。
さて不法建築が火事で焼けた家屋の一部に入っていますが、同じ州のサン・アントニオ地区で2万人が不法建設の家屋に住んでいます。今週のテレビのニュースでその不法建築が売りに出されているとされました。1軒屋が6百万ペソで売られています。多分プレハブ家屋の費用が3百万ペソだったので、そこで3年住んだ後6百万で売れれば損はないのでしょうね。同じような家を2百万ペソで売っているのはベネスエラ人で、売れたら母国に戻るとか。安く家が買えたらうれしいでしょうが、買った家がその後強制破壊されれば何の値打ちもないです。同じ問題が各地で続いていますが、右翼も左翼政権もそれをどう扱うかはっきりさせないで放置しています。もちろんサンティアゴにも同じ問題はあります。
2月2日の火事が起きる前に注意報が出されていますが、それが市民に上手く届かなかったことが大惨事の原因だと言われます。各地区の州・市役所に問題なかったか調査が始まりました。放火・失火が火事の原因と言われますが、南部のアラウカニ州で16人が放火で逮捕されました。他地区でもこれから犯人が逮捕されるでしょう。火災保険の請求が575件出されたそうですが、ちゃんと保険金が払われるかな?その内訳はビーニャが57%、バルパライソが26%、その他が17%とか。
2)犯罪
裁判官が犯人の携帯使用を認めるとして問題になっています。普通囚人は刑務所内で携帯電話の使用を禁じられていますが、今回の場合、犯罪グループの中核に使用権を与えたとか。素人の私には理解できませんが、裁判官組織で彼を抑えるとか罷免するとかできないのでしょうか。3権分立ですから国会では討論できないでしょうが。
3)夏休み
2月の前半グループはバケーションを終了しました。そして最後の2月後半組がこの週末にバスターミナルを埋めました。26日の月曜日から新学年が始まるので交通状況は大きく変わります。交通省はバスと地下鉄の現在の走り方を変え、乗客が急増してもアテンドできるようにするとしています。同じように、サンティアゴ空港の利用客は昨年250万人とコロナ問題の起きる前のレベルを越しました。
なんでもボリッチは月曜からまた夏休みに入るとか。
「2024年2月19日ー2月25日」
「政治」
1)犯罪削減委員会
ボリッチは夏休みでニュースから消えました。
さてその委員会ですが、内務大臣のトアが野党UDIのコロマ議員と面談しました。詳しい内容は発表されていませんが、野党連合の中の最右翼UDIの中心人物をモネダ宮殿に呼んで面談するのは不思議です。今までなら考えられなかったことですが、ここに来てボリッチが中道化してきたので余裕が出来たのかな?しかし問題です。犯罪対応作戦で考えられるのは軍隊の使用ですが、軍隊は「私たちは警察と同じような作業をする能力はない。また問題が起きた時、警察・裁判所ではなく軍事裁判所で対応したい。」政府はそれを受けるかな?
新左翼のメンバーの裁判が進んでいますが、政府の金を彼らが抜き取って自分たちのものにしていたら、もちろん有罪で刑務所に行くほかにその個人若しくはその党は与党側グループから追放になるでしょうね。今週は政府の中枢だったクリスピとジャクソンが法廷に呼ばれました。ジャクソンは大臣職を辞任していますが(辞めさせられたのか)クリスピは今もモネダ宮殿2階部隊でボリッチ政権の中心人物として働いています。彼をどう扱うかが注目されます。新左翼は有罪になれば罷免するのは自由だが、今はそのまま働かせろと要求しています。その民主革命党RDの党首にも呼び出しがかかり、党としての姿勢を説明しました。
チリの民間テレビ局がエクアドルの新大統領と面談したのが報道されました。エクアドルでは犯罪組織が大きな勢力を持ち国の運営に影響を与えていますが、新大統領は軍隊を大量に導入しその組織の壊滅を図っています。チリの記者がボリッチ大統領に何かメッセージをもらえないかと尋ねると、「左右の対立などの問題を優先せず、国の運営をまず考えるべきではないでしょうか?」とコメント。野党の右翼グループはにっこり、与党の共産党と新左翼は軍隊を最前線に出すアイデにはイライラするでしょうね。
「経済」
1)銅価格と為替
1ポンド3.83ドルと先週より上がりました。しかし為替は1ドル973ペソとペソ安になっています。1ドル1000ペソが近いと言われます。
2)GDP
1月の予想はマイナス0.3%から1.6%の間が予想されています。年間では2%になりそうとか。
3)株式市場IPSA
日本の株は史上最高を記録していますが、チリもそれくらい高いレベルにいます。まだ新記録は出ていませんが。しかし日本やチリで株価が上がるのは不思議な気がしますが???
4)失業率
2023年の失業率ですが、チリは8.7%で世界6位でした。1位はスペインで12.1%。
最近、大手銀行のサンタンデル銀行が社員の14%を削減しました。イタウ銀行も10%減少とか。厳しいですね。
「一般」
1)山火事
今年の今までの燃焼した面積は61914ヘクタールと昨年のわずか15%とか。と言うことは今年はまだまだ火事が広がるのか、山火事が民家の近くで始まったので被害が急上昇したかのどちらかですね。延焼中の火事は14か所と少なくなってきています。
2)犯罪
べネスエラの元軍人が行方不明になりました。誘拐の可能性があるとチリ政府も絡んで警察の捜査が始まりました。その人はベネスエラの反政府活動をしていたとか。彼は2018年にチリに政治亡命をしていますが、2010年以来68名のベネスエラ人が政治亡命をチリで認められています。
彼の誘拐に関し、ベネスエラの秘密部隊がチリに不法入国して実行したとか、チリに存在する同国の麻薬組織が政府の要請でその仕事を請け負ったとみられています。彼は仲間とマドゥロ大統領暗殺を計画したと、ベネスエラ司法が調査している由。チリにいる彼の仲間もチリ政府に身の安全を守ってほしいとを依頼していると言われます。
この件に関してモネダ宮殿で緊急会議があり、何と休暇中のボリッチ大統領も出席した由。ベネスエラのマドゥロ政権が上手く機能しているとは思えませんがチリ共産党などは応援していますから、政府を上げてその人を探す動きは喜ばないでしょうね。ボリッチも少しは大人びてきたのかな?それから最高裁判所の高級職員に高級車を貸与するのが問題になっていますが、その事務所の事務局長が辞任しました。何か怪しいことをしていたのでしょうか。
犯罪とは直接関係しませんが、4年前の社会騒乱の時、チリが好きだ・誇りだとしたのは人口の30%、逆に恥だは27%でした。それが今年になって肯定が45%、否定が14%とチリ人がチリを認める方向になっています。確かにラテンアメリカ諸国の中でチリは通常な国だと私は思います。
その社会騒乱の時デモ隊が警察に暴行を加えられ通常生活が出来なくなったとして特別年金が政府から出されていますが、その中の27人は虚偽の申請をしたとしてそれが取り消されました。政府が騙されたことを認めたわけです。また暴行によって妊娠したので正式許可で妊娠中絶をしたケースが昨年は290件あり、過去に比べると高くなっています。2021年は121件でした。
3)ビーニャ音楽祭
今日からビーニャ・デル・マルで音楽祭が始まりました。今日からそれが終わる金曜日までテレビのニュースはそれが中心になります。昔は、私の好きな歌手・グループが来たら深夜までテレビの前に座って見ました。そして翌日は会社でウトウト。今はそんなことはありません。今年の入場料は一番高いのが25万ペソ、安いのは3.5万ペソです。
以 上