フリーランス写真家で44年間、内戦下の中米エルサルバドル、ソ連軍が侵攻したアフガニスタン、アマゾンの熱帯雨林、アフリカなどの国々が様々な問題を抱え、過酷な環境でも生きようとする人たちの姿に感銘を受け、彼らを支えていた故郷、家族、友、歌や踊り、伝統と知恵、祈り、生かしてくれるものへの敬意を写し込みたいと撮影の旅を続けてきた。本書では35か国、41箇所を取り上げ、見事な写真と著者のエッセイ風の解説を載せている。
うちラテンアメリカは、ブラジルのシャバンテ族やヤマノミ族の伝統慣行の生活、楽しくおおらかに生きるキューバの人、ペルーアンデス山麓の棚田塩田、メキシコでの「死者の日」の墓地、ハイチのカーニバルと素朴画、熾烈な内戦下で生きてきたエルサルバドルの人たちなどの10箇所が取り上げられている。
〔桜井 敏浩〕
(日本写真企画 2023年11月 304頁 2,500円+税 ISBN978-4-86562-175-4)