実松 克義監修 エクスナレッジ 2024年7月 160頁 1,800円+税 ISBN978-4-7778-3313-2
米州大陸の三つの古代文明の特色を沢山のイラストを主に解説した「解剖図鑑古代シリーズ」
の1冊。監修者はアンデス、アマゾン河、マヤ地域でフィールドワークを行ってきた宗教人類学
者の立教大学名誉教授。
まずこれら古代文明の場所、年表から始め、マヤ、オルメカの時代区分とジャングルに現われ
た18の大遺跡、マヤ文明の社会と暮らし、信仰と人身供犠や球技の文化、アステカ王国の王都テ
ノチティトランなどの主要遺跡とスペイン人による征服、軍事強国だったアステカの社会と文化、
プレ・インカ文明からインカ帝国の誕生、4つのエリアを結ぶインカ道と宿駅、伝令のチャスキ
の制度、首都クスコやマチュピチュ、サクサワマンの遺跡と優れた石組み技術、数字を表す結紐
のキープや外科治療と人工頭蓋変形、アンデスの作物と牧畜、太陽崇拝やワカ信仰、神話と暦に
至るまで、一応全容を網羅していて分かり易い。
〔桜井 敏浩〕