【季刊誌サンプル】海外日系人大会から見えるラテンアメリカの日系社会の変容 土方 陽美(海外日系人協会 事務局長) | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【季刊誌サンプル】海外日系人大会から見えるラテンアメリカの日系社会の変容 土方 陽美(海外日系人協会 事務局長)


【季刊誌サンプル】海外日系人大会から見えるラテンアメリカの日系社会の変容

土方 陽美(海外日系人協会 事務局長)

本記事は、『ラテンアメリカ時報』2025年秋号(No.1452)に掲載されている、特集記事のサンプルとなります。全容は当協会の会員となって頂くか、ご興味のある季刊誌を別途ご購入(1,250円+送料)頂くことで、ご高覧頂けます。会員となるメリットとして、『時報』の無料送付、協会が催すオンライン方式を含む講演会・ワークショップ・ラウンドテーブル等への優先・割引/無料参加、わが国随一のラテンアメリカ・データベースから資料の閲覧・ダウンロードが可能になります。

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海外日系人大会から見えるラテンアメリカの日系社会の変容 -土方 陽美(海外日系人協会 事務局長
はじめに
1957年に始まった海外日系人大会(以下「大会」)は、今年(2025年)で第65回を迎える。年によって差はあるものの、近年ではおよそ20か国から約200名の海外日系人が参加し、相互の親睦を深めるとともに、日系社会が抱える課題や、各地の日系社会間、さらには日系社会と日本との協力のあり方について議論する貴重な機会となっている。
大会を長年にわたって見つめてきた立場から言えば、その時々に寄せられる課題や要望には、日系社会の変化が色濃く反映されており、大会はまさに日系社会の歴史を映し出す鏡であると言えるだろう。
なお、本大会の主催は、私が所属する公益財団法人海外日系人協会が担っている。そこでまず、海外日系人大会および当協会について、簡単に紹介したい。

海外日系人大会の始まり
話は第二次世界大戦時にまでさかのぼる。戦時中、米国各地に暮らしていた在留邦人や日系人は強制収容の対象となったが、日本からは赤十字を通じて、味噌や醤油、日本語書籍などの慰問品が届けられていた。
戦後、日本が深刻な食糧難と生活物資の不足に見舞われると、今度は在米日系人たちが、かつての慰問品への感謝と母国への励ましの思いを込めて、粉ミルクや衣料品などの救援物資を集めて日本に送るようになった。
これらの支援は、「アジア救援公認団体(Licensed Agencies for Relief in Asia)」、略して「ララ(LARA)」の活動に基づくものである。ララによる物資支援の総額は、当時の価格で400億円を超え、そのうち約20%が日系人によるものとされている。
この支援の流れは、アメリカ国内にとどまらず、カナダやラテンアメリカ諸国の在留日系社会にも広がっていった。
こうした経緯を背景に、日本国内では、在留邦人・日系人の苦難に報いるとともに、母国への深い愛情に対する謝意を示そうという