執筆者:ピーター藤尾(在サンテイアゴ)
「2025年10月27日-11月2日」
「政治」
1)ボリッチ動向
週末の韓国でのAPEC会議に参加しました。同国大統領との面談の他に元国連事務局長バンキムーンと面談しました。バチェレットの応援をしてくださいと頼んだのかな?この会議にバチェレットも参加しています。そしてそこの経団連とも面談して、「皆さん、チリに進出してください。チリと韓国が手を結んで両国の発展に向け歩きましょう」とコメントしました。その他にカナダとフィリピンの大統領と面談しました。もちろん習近平や高市とも軽く挨拶したようです。高市がボリッチの肩に手を置いた写真がSNSで発表されていますが、チリでもあちこちで見ることができます。ただボリッチは反トランプの姿勢は継続したようです。
しかし不思議なのは彼のこうした行動がチリのテレビ・ニュースにはほとんど出ません????どうしてでしょうか。
そして今日チリに戻って来て、なんと2、3日後に、ブラジルに外遊とか。任期の終わるまで、毎月外遊するでしょうと書きましたが、毎月ではなく毎週外遊ですね。
ブラジルでCOP30の国際会議に出席ですが、世界を飛び回っています。
2)大統領選挙
選挙がどんどん近づいていますが、熱気は感じられません。候補者の動きを報道するニュースもテレビには出ません。もっとも新聞の場合は週末の特集記事は大統領選挙の記事がほとんどです。
世論調査はあちこちで行われますから、どれも同じ数字ではないですが、ある調査ではハラが首位、そして2位にマテイとカイセルが入り、何とカストは4位に落ちています。それならハラも入れて4グループが街中を宣伝して歩きそうですが、全く見かけません。本当に新しい風が来たのかな?
もちろん今までと同じ順序の調査結果も出ています。
ボリッチの選挙への関与が言われますが、彼はハラ応援よりカスト攻撃の方が楽しそうです。この選挙で右翼が勝てば4年後の大統領選挙にボリッチは再度挑戦するつもりなのでしょうか?
来年度予算が国会で議論されていますが、野党側は全面的に拒否するとか。政府は選挙目当ての作戦だろうと見ています。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.97ドル、為替は1ドル941ペソ。株式市場IPSAは9232ポイントで終わりました。しかし週日中に銅価格は5ドルを超える過去最高、同じようにIPSAも過去最高記録が出ました。
銅価格に関してアメリカと中国の関係が良くなったからだと言う説明がありますが、トランプの考えは突然変わりますから、安定した状況ではないと思いますね。
中銀が発表するGDP指数ですが、9月のそれは4%アップになるだろうと推定されています。少しは良くなっているのですね。
先日、コデルコ銅公社のエル・テニエンテ鉱山で事故があり6人死亡しましたが、その件で検察はコデルコ社に入り、裁判に必要なものを没収しました。
電気代ですが、 来年1月から各家庭で毎月約2000ペソほど半年間、安くなるとか。大騒ぎしたけど結論は小さいですね。
2)中小企業
チリではそれをPYMESと呼びますが、世界各国の中小企業を調査する機関の発表で、チリのそれは50%が10人以下の社員数とか。100人以上は11%です。
国内の一般消費者に物品の販売をする会社が20%のトップです。ホテル・レストランは6%でした。設立して3年以下が43%、10年以上は23%でした。
「一般」
1)学生運動
9月から学生が占拠していたサンティアゴ大学に警察が入り、占拠を開放しました。なんでも学長選挙などで大学側と同意できず実力行使をしたとか。先日、私が行った 日本祭りも大学の外で実施されました。この先、反乱学生と学校の関係はどうなるのでしょう。
それから有名な国立高校のINBAでまた暴力事件。高校生がモロトフ爆弾を警官に投げつける事件が起き、高校生ら15名が逮捕されました。そこで勉強している高校生は、毎日大変ですね。そこだけではなく、プロビデンシア地区のラスタリア高校で、白色のオーバーオールを着た学生が、校内で放火やモロトフ爆弾を使い暴れました。3人逮捕されました。しかし校内で事件を起こして逮捕される意味が私には良く理解できません。ただ学校を潰したいのですか?
2)俳優ノゲラの死去
チリの有名な俳優エクトル・ノゲラが88歳で死亡しました。ボリッチはその死を惜しみました。彼は韓国に向かったので、葬儀には内務大臣が出ました。
3)チリ人の考え方
世論調査でチリ人の一番好きな国はアメリカとか。2番目はスペインでした。それから70%の市民がチリは他のラテンアメリカの国とは異なっているとする由。共有意識より独立意識が高いのですね。
4)電動バス
チリでは6500台の電動バスが動き、それは全バスの55%とか。毎年その割合は増加しています。なんでも世界で2番目に電動バスの割合が高いとか。これとは関係ありませんが、この3連休で421件の交通事故が起こり、21人が死亡、そして166人が逮捕されました。
「2025年11月3日-11月9日」
「政治」
1)ボリッチ動向
日曜日に韓国から帰国したボリッチは翌日の月曜日にモネダ宮殿でプンタ・ぺウコ刑務所に関する変更を発表しました。そこはピノチェット時代に左翼系人間を殺したり拷問したりしたことから有罪になった軍人が収容されているところです。それを変更し一般刑務所にするとされました。そこの囚人はそのため一般刑務所に移動して収容されることになります。この刑務所が出来たのは左翼いじめの軍人が刑務所に入ったとき、普通の刑務所ならそこで左翼系の囚人にいじめられると考えられ特別刑務所が出来たのです。ボリッチの決定に関し右翼側は、「なんでそんな軍人いじめの様なことをするのだ」とか。「収容されている軍人は70・80代の高齢者だから、もう少しそれを継続させてやるべきだ」と言うコメントが出ています。
その刑務所は1995年キリスト教民主党DCのフレイが大統領の時に作られました。サンティアゴから64キロの距離にあります。その後の左右の政権で、軍人用特別刑務所の可否について論議されましたが、左右のどちらの政権でも誰も最終結論を出しませんでした。それをボリッチが変えたわけです。たまにはボリッチも先輩の大統領を超える仕事をするのですね。その刑務所のある地区の住民が怒り、近くの幹線道路を封鎖しました。同地区の安全が悪くなると言うわけです。
そして木曜日、彼はブラジルに飛びました。なんとまたバチェレットを同伴させています。
COP30の会議で気候変動に関してトランプ批判をしました。自然問題と政治を混同するなと言うわけです。そしてその会議の後、ボリビアに飛び、新大統領パスの就任式に出席しました。式の後、二人は面談し、特に国境地区の不法移民問題を話し込んだとか。アルゼンチンに続きボリビアも左翼政権が倒れ、右翼になりました。あれっ、チリもそうなるのかな?
ボリビア新大統領パスは世界から孤立していたボリビアを世界と手を組んで歩く国にしたいとしました。アメリカと今まで中断していた大使の交換を再開するとか。チリの大統領が就任式に同国を訪問したのは19年ぶりです。その就任式にはアルゼンチンなど南米各国から大統領が参加していました。
そのアルゼンチン大統領が会議室の横に座っていた他国の大統領に挨拶を始めると全員立って抱擁の挨拶です。一人だけ立たなかった大統領がいますが、それがボリッチでした。ボリッチがミレイを嫌いでも、「がんばっていますね」くらい言えばよいのに。
2)大統領選挙
あと1週間になりました。選挙は全く盛り上がりません。最初から最後まで同じですね。
選挙運動が終焉するわけですが、候補者は派手にお祝いをするようです。例えば、マテイはサッカー場で12000人の参加者を考え音楽バンドを入れた式にするとか。
カストは今週、サンティアゴで街頭演説をするとき、自分の前に防弾ガラスを置きました。共産党のハラはチリの国民が怖いなら大統領選挙に出ない方が良いと馬鹿にしました。
そのハラはトアと面談しました。トアは前内務大臣で中道左翼代表で左翼の予備選挙に出ましたが、ハラに敗れました。トアはハラにあなたの説得力は立派なもので世論調査で人気1位になるのは当然だ。ただあなた個人の魅力に共産党の看板が重なると市民は投票時に気が変わる可能性が出るかもしれないとしました。
このため、ハラは私が大統領になれば共産党を離党するか4年間党籍を離れることを考えていると発表しました。もっとも同じことを予備選挙の前にも言っていますから、それは見せかけだけでしょうね。
国民改革党RNと共和党の争い
RN党員のサンティアゴ区長が国会議員選挙で共和党の候補を応援したのが問題になっています。自分の所属する党の人間を推さないで他党の人間と手を組むなんて。RNは彼をどう処分するか検討中とか。両党は同じ右翼でも敵対関係ですからね。
検事の間で不投票の市民に課する罰則をどうするか討議されているとか。
とにかく投票所には行かなければなりませんね。今回の選挙が盛り上がらない例として、私は白紙投票をしますとする人もいるらしい。後、1週間です。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.86ドルと高値安定です。昔、3ドルを切ってほとんどすべての鉱山が赤字になると言う頃もありましたから、5ドルに上がるなんて夢の様です。為替は1ドル941ペソと大きな変化はありません。昔はこれだけ銅価格が上がれば1ドル800ペソ台のペソ高になったはずですが。
株式市場IPSAはまた新記録を出しました。9602ポイントまで上がりました。選挙で右翼が勝ちそうだから株価が上がると言うコメントもあります。本当かな?アメリカ市場はいろいろ動いているようですね。
10月の物価上昇率IPCは0%でした。全く動いていません。今年になって3.0%、過去12か月で3.4%と落ち着いています。
電気代の問題ですが、なんでもチリの電気代はラテンアメリカの中で2番目に高いとか。それはあまり自慢になりませんね。チリの発電費用がそれほど高いと言うより使用者に高く払わさせるシステムが上手く行っているのでしょうね。政府がそれにかんでいるのでしょうが。
2)GDP
9月は3.2%の上昇、7-9月は1.8%アップでした。少しづつでも上昇しているのは事実ですね。
3)10月の新車販売
久しぶりに売り上げが減少しました。ただ1-10月間の売れ行き合計は25.5万台で前年対比2.4%の上昇です。
「一般」
1)不正建設
他人の土地に不正に家を建設してそのまま住み着くと言う事件がチリではたくさんありますが、その中で一番規模の大きいサン・アントニオ地区で裁判所は30日以内に家屋の倒壊をするように指示しました。以前、その作業が始まったのですが、何らかの理由で停止されたのですね。関係ないですが、木曜日の雨は初夏には珍しい量で、強風に伴って停電が多く出ました。首都圏で37000軒で停電しました。私の家もその日、3回停電しました。またある地区では車が水没する事件が起きています???
2)学生運動
毎週同じですが、今週もINBA高校で事件が起きました。学校はモロトフ爆弾とか暴力事件が起きれば政府に連絡して直ちに警察を校内に入れると決め、それを学生に知らせればよいのでは。毎週同じ事件が起きてそれを抑えられないのは学校・都庁・警察に責任があります。
今回の大統領選挙の独立派候補者のアルテスは「チリの社会は学生を尊重する考えがない。有名高校の場合、その校風に従わせるとして全く個人の自由を認めない。そんな組織の中で学生が反発するのは当然だ、私が学生なら彼らのやっていることを拡大させる。もっと学生を尊重していただきたい」としました。記者からそれは極端すぎるのではと質問が出ると「その学生を退学させることしかしない・出来ない現状では問題の解決は無い。どうして学生運動が起きるのか考慮し解決を図るのが重要」としました。
3)犯罪
最高裁判所のビバンコ前裁判官が不正行動で逮捕されました。夫と組んで自分の権力を利用して不正を行い、その見返りに大量の金額を受領していたとする汚職事件です。裁判になったとき、知り合いの裁判官の顔を見るとどんな気がするのでしょう。裁判官の顔をまともに見れるかな?
南のアラウカニア州でまた放火事件が起きました。クンコで数か所で起きた事件ですが、マプチェの抗議行動ですね。未来永劫に続くでしょうが。
4)年代
60歳以上の人が人口の20%を占めています。その数字はどこまで上がるかな? 以 上
「2025年11月10日-11月16日」
「政治」
1)ボリッチ動向
大統領府の発表では、彼は首都アラメダと近郊のメリピジャの間の鉄道開発の儀式に参加し、多くの人の毎日の生活を助ける仕事が大事だとしました。
それから先日行われたジュニアーの南米大会で活躍したチリ代表をモネダ宮殿に招待し多くのメダルを手にした彼らと喜びを分かち合いました。
さてボリビア新大統領就任式の時に起きたアルゼンチンのミレイとの問題に関しては、野党側は「ちゃんと抱擁して握手をするのが当然なのにボリッチは椅子に座ったままだった。なんという無礼な行動か」と批判していますが、政府はちゃんと握手しているのはビデオに映っているので問題ないとしました。
週末にプンタ・アレナスで地区の発展を図る運動を始めようとする集まりに参加しました。もちろんこれは選挙の投票の為、両親の住む南の都市に行ったわけですね。
最後まで投票する住所の変更をしないで。今朝、そこの投票所に赤ちゃんを抱いて行きました。その後、サンティアゴに戻り、夜にテレビの番組で、「今日の選挙は正しく実行された。それがチリが発達した国である証拠だ。一次選挙を勝ち抜いたハラとカストの決選投票に国民の結論が出されるのを見守りたいと」しました。
2)大統領選挙
月曜日に全テレビ局で8名の候補者の討論会がありました。その中で司会が「チリの電気代は高いですが、あなたが大統領になればどうしたいですか」と質問しました。全員、電気代を下げるよう手を打ちますと。4年前ボリッチならどう返事したかな?
カイセルは自分が大統領になれば市民のために働いて刑務所に入っている警官を釈放するとコメントしました。刑務所に入れられた理由によるのでは?
さてその結果ですが。共産党のハラと共和党のカストが上位を占めました。今まで世論調査で言われてきた通りでした。12月14日に決選投票が行われます。
3)来年度予算
国会で討議されていますが、野党側は政府に訂正をしなければ賛成できないと否決の構えです。各省の問題が11か所、15億ドルの支出削減が要求されています。選挙の結果を見て左右の争いは派手になりますね。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.92ドルと高値安定です。このため1ドル926 ペソと数か月ぶりのペソ高になっています。
株式市場IPSSAは9649ポイントで終わりましたが、今週また新記録9929ポイントが出ました。もう1万ポイント間近です。年初は7332ポイントでしたから30%以上も上昇ですね。ある経営者がこの上昇はチリの経済の発展を表しており、政治事項などとは関係ないですとコメントしました。
「一般」
1)犯罪
チリの私服警察PDIの元長官が有罪になりました。先週、元裁判官が汚職の罪で裁判になりましたが、今週は検察官が訴えられ裁判です。新聞に司法界の混乱・低迷は見逃せないほどのひどさだと書かれました。確かにそうですね。
さて毎週の様ですが、今週も国営学院で公社の外でモロトフ爆弾が投げられる事件が起き、学校は授業を止めました。打つ手は無いのでしょうか?
関係ありませんが、プンタ・ぺウコの軍人専用刑務所に今週初めて一般犯罪者が入れられました。一般向けに変えるとの意向が動き始めたわけです。
2)健康
OECD加盟国の中の比較ですが、チリの平均寿命は81.6歳でOECD平均の81.1歳より少し上でした。ただ肥満症はOECD国平均では19%ですが、チリは31%と圧倒です。
糖尿病は平均が9%、チリは14%と上回っています。チリ人は健康的なのですか?
3)スト
ラタム航空の従業員がストに入り、サービスが止まりました。2万人が影響を受けたとか。 以 上
「2025年11月17日-11月23日」
「政治」
1)ボリッチ動向
大統領府の発表ですが、チリ大学の創立183年記念式に参加しました。100年とか150年なら分かりますが、183年記念はそれほど重要なのですか?
それから彼の任期は後数か月ですが、モネダ宮殿で閣僚会議が行われました。最後の日までしっかり働こうとしたのですが、選挙の話は盛り上がらなかったでしょうね。
外務省がアメリカ政府に抗議をしました。それはチリ駐在アメリカ大使がボリッチを批判したからです。「あいつはトランプを嘘つきだと言うようなコメントをしているがトランプより彼の方がおかしいとしか思えない」と言った類の発言です。その大使は一国の大統領が他国の大統領を批判するなんてとしています。確かにボリッチはトランプ嫌いですね。何回も反トランプの発言をしています。カストはそれに関しボリッチは外交を分かっていないとしました。他国の大統領を批判するのは拙いとしてもトランプのしていることはひどいですが。
2)大統領選挙
先週の選挙で投票したのは1345万人でした。
大統領選挙で勝ち上がったのは1位得票率27%の共産党ハラ、2位右翼の共和党カスト24%でした。3位は右でも左でもないパリシでした。ところで12月の決選投票ではカストが圧勝すると言われます。2位がどうして1位に勝てるのと思われるかもしれませんが、左翼は予備選挙をしてハラを代表にしました。右翼はそれを嫌がり1次選挙に3名も出ました。その3名の勝ち取った得票率は50%を越えますから、もし右翼も予備選挙をしていれば、この1次選挙で勝ち抜いたかもしれません。
ハラの思い切った手がなければ、12月の選挙の結果は今からはっきりしています。ハラがパリシと組めば接戦になるでしょうが、最新の世論調査ではカスト50%・ハラ36%、白紙14%と大きな差がでそうです。それでその12月の選挙に緊張・興奮はありません。パリシは自分に投票した市民の大半はどちらにも入れないだろうと予想しています。
今から50年前にチリで極左・極右の争いがありました。アジェンデが企業の国有化を進めて、失敗しそうになったときピノチェットの軍事革命が起きました。同じような事がハラとカストで起きそうです。どうしてチリ人は同じような失敗を繰り返すのでしょう。理解できません。
それだけではなく議員選挙でも右翼が票を伸ばしています。これは左翼のボリッチ政権が失敗だった証拠だとする声もあります。
もう一つの件ですが、左翼側が中道左翼が落ち込み、例えば社会党ですが、前回の選挙から新左翼・共産党に押し込まれています。同じことが右翼にも起き、チレ・バモスと呼ばれるグループ(UDIとか、国民改革党RN)が右翼側の中心だったのですが、カストの率いる共和党グループがそれを逆転し、大統領・議会選挙で中道右派の上に立ちました。
前回の選挙で極小政党が増え、その名前を全部覚えきれないと書いたことがありますが、そのグループの多くが消滅しそうです。議員の最低数と最低得票数を勝ち取れなかった党は消えて行きます。例えば右翼側で名を知られているエボポリがその例です。チリの政界も動いていますね。
パリシの率いる人民党PDGの議員が次の政権時の議会のカギになると言われます。つまり左右の議員数がほぼ同数なのでPDGがどちらに付くかが重要になるわけです。
さてカストが勝てば、隣の国のミレイと同じようにトランプ様様となると見られています。そのミレイとカストは既にコンタクトを取ったらしい。カストが勝てば両国は仲良く手をつないで発展しようと話したのでしょうね。思い出しますが、4年前の選挙の時、その時はボリッチとそのカストが1次選挙で勝ち上がりました。選挙運動中にミレイがカストを応援にチリを訪問し「ボリッチに大統領になる資格は無い」と厳しく批判しました。するとチリの中から他国人に批判されるのは不愉快だと、左翼以外もミレイを嫌いました。今回はカストが勝ちそうですから、ミレイとの連帯はどう進展するかな?
その前回の1次選挙の結果ですが、1位カスト28%、2位ボリッチ26%、3位パリシでした。笑ってしまうかな。もっとおかしいのは新聞に「次回の選挙で、4年後ですが、
決選に残るのはボリッチとパリシで、最後にパリシが勝つ」と書かれていました。これは私のコメントではありません。
3)来年度年次予算
議会で議論されています。野党の攻撃で政府は各省の予算の一部訂正を余儀なくされそうです。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.89ドルと高値安定です。為替は1ドル929ペソとペソ高です。株式市場IPSAは9873ポイントと高値安定です。
国際原油価格がトランプ作戦の影響で4年ぶりの低価格に落ちました。しかしそれがチリの小売価格には反映されていません。もちろんいろんなシステムがあるのでしょうが、原油価格が上がると小売価格もすぐに上がるのですが。
2)果物の輸出
輸出は世界1位はアメリカ、続いてメキシコ、スペインでした。チリは4位です。チリの輸出で多いのは圧倒的にサクランボで、続いてぶどうになっています。
「一般」
1)犯罪
首都圏メイグ地区で不法に屋台販売をする業者を一掃する作業がかなり前から続いていますが、今週、その作業をしていた区の作業員が屋台関係者に襲われ負傷する事件が起きました。区の作業者は警察の同行なく独自で仕事をしていたのですが、屋台関係者も警察には勝てないが区の人間には勝てるとしたわけですね。
このまま進むと殺人事件になりそうです。
南部のアラウカニア州で連日のように事件が起きています。アンゴル地区のホテルに火がつけられほぼ全焼しました。またトラックや軽4輪車に放火する事件が起きています。マプチェ関連でしょうが、政府は全く打つ手が無いようです。次の政権はどのようにこの問題を取り扱うでしょう?
その他に毎日のように全国各地で殺人事件は起きています。
2)事故
南部パタゴニアの有名な観光地トレス・デル・パイネでトレッキングをしていた観光客が悪天候で多くの行方不明者を出しました。そのうち5名が死亡者として発見されました。暴風雨で、なんでも時速190キロの風が吹いたとか。そんな日にトレッキングをするのですか?
その公園の入り口に事務所があります。そこで入園料を払うのですが、どうしてそこで今日の天候は山歩きには適していませんと言わないのでしょう?
そのルートの一部を私は、昔歩いたことがあります。確かに素晴らしい自然の中と言う感じがしました。
3)ワイン
フォーブスの発表でチリのサンタ・リタが世界のトップに選ばれました。50位の中にチリから5社が選ばれています。
4)ラタム航空スト
同社のパイロット組合がストに入りましたが、8日後に会社と合意に達したとか。しかしお客さんに大きな迷惑をかけましたね。
「2025年11月24日-11月30日」
「政治」
1)ボリッチ動向
最南端のマゼラン州にまた出向きました。この前の選挙の時、行ったのに。そしてこの後、2次選挙の時も行くのに。いったい彼は何を考えているのかな?
今回はプンタ・アレナスよりさらに南のプエルト・ウィリアムに行き障害者のアテンドをする施設を見たとか。私はまだその町に行ったことがありません。
アメリカの駐チリ大使がボリッチを批判した件が話題になりましたが、もちろんトランプの指示で大使は動いているのでしょうね。カストが勝てば手を返したようにトランプはチリに接近するのかな?
来年度の予算は上院で一部の訂正を指示したものの成立しました。訂正部門は安全・教育と健康関連部門です。政府訂正案を下院で審議します。大蔵大臣は収入について批判する声があるが私たちは収支のすべてが成立できると考えるとコメントしました。
2)大統領選挙
あと2週間に迫りましたが、決選投票に市民の興奮・緊張は高まっていません。1次選挙の時の世論調査はバッチリ当たりましたから、今回も間違えないでしょう。
それによるとカストの圧勝です。つまりハラが大きな手を打たねばならないのですが、例えば3位のパリシを説得するとか、全くニュースがありません。
今週の世論調査の結果はカスト59%、ハラ41%の得票です。白紙の人は推定数字から除いています。それは20%と予想されています。カストの圧勝ですね。テレビで二人の討論を少し見ましたが、盛り上がりませんでした。週末の新聞に与党側の惨敗の影響はどうなるかと書かれていました???
今週、話題になったのはキリスト教民主党DCの元総裁、そしてチリの元大統領のフレイがカストと面談したことです。DCはこれに怒り、フレイをDCから追放する動き
がでています。彼にすれば、チリが民主化して以来、DCが中心となった中道左翼が政権を握ってきたが、その中に共産党はいなかった。DCは社会党などの左翼と手を
組めるが共産党は無理だとなるわけです。さぁどうなるかな?
3)年金制度
チリの年金制度(システムと支払額)はOECD加盟国の19位とされ、中位のランクです。チリの制度は基本的に政府が色々手を加えるのではなく各自の積み立てた基金を
民間会社が運営して利益を上げ、それを基に年金が支払われます。年金が少ない人は貯めた基金が少なかったと言うことになります。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.99ドルと驚異的な高値安定。為替は1ドル929ペソとペソが強くなっています。IPSA株式市場は最後は少し下がりましたが、また新記録の10128ポイントまで上がりました。もう何回、新記録を出しているでしょう。なんでもIPSA加入の会社の77%は今年の利益は昨年より上とか。
その株式市場のある古い建物が売られ、そこは商業ビルになるとか。その売値は1300万ドルでした。ホテル・レストラン・事務所かな?その中は入ったことはありませんが、そのビルの前は何度も歩きました。
2)GDP
中銀発表のイマセック指数はまだ10月分の正式発表はありませんが、推定で1.6-2.2%とされています。今年の予想は年間で2.4%です。少しづつ良くなってきたとは言えないですが。
3)果物
ブラジルに輸出したサクランボに虫がついていたとかで問題になっています。
「一般」
1)テレトン
27時間の行事ですが、金曜日の夜10時に開始しました。開会式にボリッチも候補者のカスト・ハラも参加していました。全テレビ局が同じ番組を報道します。障碍者の援護をする組織の経費をこの番組を通して市民・企業の献金で集めるわけです。もう50年近く続いています。今年の目標は405億ペソでしたが、集まった寄金は442憶ペソとそれを10%超えました。行事の最後は国立競技場で行われ、6万人の人が集まって、音楽を楽しんだり、集まった寄金の発表を喜んだりしました。
2)移民の流出
移民がどんどんチリに入ってくると言うのが傾向でしたが、最近、その逆に流出が言われています。今なら外に出るのもそれほどコントロールがないが、もしカストが勝てば、流出人に厳しいチェックが始まるとされるので、それなら早めに出ましょうとするわけですね。カストは自分が大統領になればこの問題を即時に解決するとしています。これが問題になってペルー政府は緊急事態として軍隊をチリの国境に置きました。その州の知事がボリッチ大統領がここに来られて状況を見ていただきたいとしました。ボリッチは南ばかりで北はあまり行きませんね。
チリからペルーに入る人の数はそれほど増えているわけではないとされますが、国境付近に多くの旅行者が集まっています。中にはパスポートを持っていないのでペルーに正式に入国できないのでしょうか? テレビのニュースにこれが頻繁に出ますが、カメラの前で、「私は母国ベネスエラに帰ろうとしています。どうしてペルーはそのための入国を認めないのか」と怒っていました。そこまでのバス代がないので少しペルーで働くつもりなのでしょうか?
全く関係ないですが、近いうちにチリと中国の直行便が開始されるとか。じゃ日本に行くのにそれを使うとアメリカ経由より早く着くかな?
3)高校問題
首都圏の国立学院でまた犯罪が起きました。白いオーバーオールを着たグループが暴れ、 3人の教師が負傷しました。身体に油をかけられる、顔を殴られる、ナイフで切られる怪我をしました。もう長い間続いていますが、学校も首都圏も警察も何も出来ませんね。教員連合の会長が教員が職場の学校で怪我をする状況が続くのは認められないと政府を批判しています。
以 上